TOPページ > 海外競馬ニュース > アスムッセン調教師、レイチェルアレクサンドラ、ゼニヤッタが競馬殿堂入り(アメリカ)[その他]
海外競馬ニュース
2016年05月06日  - No.18 - 1

アスムッセン調教師、レイチェルアレクサンドラ、ゼニヤッタが競馬殿堂入り(アメリカ)[その他]


 スティーヴ・アスムッセン(Steve Asmussen)調教師と同調教師が年度代表馬に育てあげたレイチェルアレクサンドラ(Rachel Alexandra)、そして同じく年度代表馬のゼニヤッタ(Zenyatta)とラモン・ドミンゲス(Ramon Dominguez)騎手は、国立競馬博物館(National Museum of Racing)の競馬殿堂入りを果たす。

 "現代部門"で選出されたこの4者の殿堂入りのセレモニーは、8月12日午前10時30分に、ニューヨーク州サラトガスプリングスにあるファシグ・ティプトン社(Fasig-Tipton)のセリ会場で行われる。

 サウスダゴタ州ゲティスバーグ出身のアスムッセン調教師(50歳)は生涯勝利数7,287勝で歴代2位であり、生涯獲得賞金額2億4,107万1,415ドル(約265億1,786万円)で歴代4位である(4月24日現在)。同調教師はしばらく騎手生活を送った後、1986年に調教師生活を始めた。2008年と2009年に最優秀調教師としてエクリプス賞を受賞し、北米最多勝利調教師に9回、北米最高賞金獲得調教師に3回輝いた。2004年に555勝を挙げて年間最多勝利記録を樹立し、2008年には621勝を挙げて自らその記録を更新した。さらに2009年にそれを上回る650勝を達成した。

 アスムッセン調教師はレイチェルアレクサンドラを2009年の年度代表馬にまで育てあげたのに加え、2007年・2008年の年度代表馬カーリン(Curlin)、2009年最優秀短距離馬コディアックカウボーイ(Kodiak Kowboy)、2011年最優秀2歳牝馬マイミスオーレリア(My Miss Aurelia)、2014年最優秀3歳牝馬アンタパブル(Untapable)を管理した。

 レイチェルアレクサンドラ(父メダグリアドロ、母ロッタキム、母父ロアー)は年度代表馬となった2009年に、最優秀3歳牝馬としてもエクリプス賞を受賞した。通算成績は19戦13勝、2着5回で、獲得賞金額は350万6,730ドル(3億8,574万円)に上った。ケンタッキー州のドルフュス・モリスン(Dolphus Morrison)氏に生産・所有されたレイチェルアレクサンドラは、当初ハル・ウィギンス(Hal Wiggins)調教師に管理されたが、2009年ケンタッキーオークス(G1)を20馬身1/4差で制した後、ストーンストリートステーブル(Stonestreet Stablesジェス・ジャクソン氏所有)とハロルド・マコーミック(Harold McCormick)氏に庭先で購買された。その後、残りのキャリアはアスムッセン調教師に管理された。

 レイチェルアレクサンドラは、プリークネスS(G1)でケンタッキーダービー(G1)優勝馬マインザットバード(Mine That Bird)を破り、1924年以来初めて牝馬として同レースを制した。その後、マザーグースS(G1)を19馬身1/4差で楽勝し、ハスケル招待S(G1)ではベルモントS(G1)優勝馬サマーバード(Summer Bird)に6馬身差をつけて優勝した。そしてウッドウォードS(G1)では古牡馬相手にドラマチックな勝利を決め、3歳シーズンを終えた。

 ゼニヤッタ(父ストリートクライ、母ヴェルティジヌー、母父クリスエス)の通算成績は20戦19勝、2着1回で、獲得賞金は730万4,580ドル(約8億350万円)である。ケンタッキー州のマーヴェリックプロダクション社(Maverick Production, Ltd.)に生産されたゼニヤッタは、2005年キーンランド9月1歳セール(Keeneland September yearling sales)においてジェリー&アン・モス(Jerry and Ann Moss)夫妻に6万ドル(約660万円)で購買された。キャリア全体を通じてジョン・シレフス(John Shirreffs)調教師に管理され、殿堂入りを果たしたマイク・スミス(Mike Smith)騎手が全20戦中17戦騎乗した。ゼニヤッタは、2010年に年度代表馬となったほかに、2008年・2009年・2010年に最優秀古牝馬に選出された。

 ベネズエラのカラカス出身のラモン・ドミンゲス騎手(39歳)は、そのキャリアを通じて4,985勝(勝率23%)を挙げ、獲得賞金は1億9,162万277ドル(約210億7,823万円)に上った。2010年・2011年・2012年には最優秀騎手としてエクリプス賞を受賞し、その3年間は北米最高賞金獲得騎手となった。2012年には2,563万9,432ドル(約28億2,034万円)を獲得し年間最高獲得賞金の記録を打ち立てている。2001年と2003年には最多勝騎手となり、2位となったのは7回である。同騎手はニューヨーク州の競馬場において、20回開催リーディングとなり、2012年のサラトガ開催では68勝を挙げて記録を樹立した。

 2009年~2012年にニューヨーク州のリーディングジョッキーとなった同騎手は、キャリアを通じてG1・44勝を挙げ、そのうち25勝は2010年~2012年に達成した。

 ドミンゲス騎手はニューヨーク州を拠点とする前、2004年~2007年にデラウェアパーク競馬場(デラウェア州)のリーディングジョッキーとなり、メリーランド州のローレルパーク競馬場とピムリコ競馬場でも開催リーディングとなった。重賞160勝を挙げ、獲得賞金では歴代17位、勝利数では歴代32位である。

 競馬殿堂入りの現代部門は、16人からなる殿堂入り指名委員会が10名の最終候補を選出し、その後188人の競馬ライター・放送者・競馬産業役員・歴史学者からなる全米の投票委員会により選出される。

 "歴史部門""競馬界の重鎮部門"の競馬殿堂入りは、5月に発表される。

By Ron Mitchell

(1ドル=約110円)

[bloodhorse.com 2016年4月25日「Asmussen, Rachel Alexandra, Zenyatta in HOF」]


上に戻る