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2016年04月28日  - No.17 - 3

エプソム競馬場、陰睾の馬にダービー出走資格があるか明確化を要請(イギリス)[その他]


 エプソム競馬場は、陰嚢内に1つの睾丸しか下降していないオードトゥイブニング(Ode To Evening)がダービートライアル(4月20日)に登録されたことを受けて、このような陰睾の馬に英ダービー(G1)への出走資格があるか明確にするよう要請した。

 英ダービーの出走権をまだ確保していない馬は、総賞金5万ポンド(約800万円)のダービートライアル(約2000m)で優勝すれば、英ダービーの特別出走枠を獲得できる。しかし、出走条件が"去勢されていない牡馬あるいは牝馬"とされている英ダービーの出走枠が、オードトゥイブニング(マーク・ジョンストン厩舎)に与えられるか定かではない。

 エプソム競馬場の競走担当理事であるアンドリュー・クーパー(Andrew Cooper)氏はこう語った。「競走担当理事に就任してから、陰睾の馬にダービー出走資格があるのかという問題に直面したことはありませんでした。私はBHAに対し、オードトゥイブニングがダービートライアルで優勝した場合、どう取り扱えばよいのか明確にするよう依頼しました」。

 BHAは昨年、陰睾の馬のコンヴェイ(Convey)に英2000ギニー(G1)と英ダービーへの出走権を認めた。しかし、同馬はいずれのクラシック競走にも出走しなかった。

 BHAのスポークスマンであるロビン・マウンジー(Robin Mounsey)氏は、どの馬もケースバイケースで取り扱っていると述べ、「陰睾の馬はせん馬ではありません。陰睾の馬の中には、生殖能力があり種牡馬として成功する馬もいます。ダービーのようなレースに陰睾の馬を登録する際、私たちは当該馬に生殖能力が無いリスクを調査した獣医師と話をします。当該馬に生殖能力があれば、牡馬として分類されます」と語った。

 マーク・ジョンストン(Mark Johnston)調教師の息子チャーリー(Charlie)氏はこう語った。「オードトゥイブニングは依然として牡馬であり、ダービーへの出走資格が与えられるべきです。停留睾丸を摘出しましたが、正真正銘の牡馬です」。

 「私たちは何よりもまず、ウェザビーズ社(Weatherbys)に停留睾丸の摘出手術について通知しました。ウェザビーズ社は、"牡馬"とされたままのパスポートを返してきましたが、"睾丸の1つを摘出"との注意書きがありました。オードトゥイブニングはそのようにして、陰睾の馬と修正されました」。

 一方、ダービートライアルの出走登録馬24頭の中には、現時点でダービー2番人気馬ミッドターム(Midterm 母G1・6勝馬ミッデイ、父ガリレオ)がいる。4月15日にニューベリ競馬場の開催が中止となり、同馬は出走機会を失っていた。

 ミッドタームの馬主カリド・アブドゥラ(Khalid Abdullah)殿下のレーシングマネージャーであるテディ・グリムソープ(Teddy Grimthorpe)氏はこう語った。「ミッドタームはエプソム競馬場のダービートライアルと、4月22日のサンダウン競馬場のクラシックトライアル(G3)に登録しています。サンダウンに向かう可能性の方が少し高いでしょうが、馬場状態などを見ながらどちらのレースにするか検討します」。

訳注:オードトゥイブニングもミッドタームもサンダウン競馬場のクラシックトライアルに出走することとなり、ミッドタームが優勝し、オードトゥイブニングは最下位の6着だった)。

By Jon Lees

(1ポンド=約160円)

[Racing Post 2016年4月16日「Epsom seeks ruling on rigs in Derby」]


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