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2016年04月28日  - No.17 - 2

調教師のリーディング決定の対象期間が1月~12月に戻される(イギリス)[開催・運営]


 調教師たちは4月13日、平地の獲得賞金額によるリーディングトレーナーを決定する対象期間を「11月~11月」から、元の「1月~12月」に戻した。リーディング上位の調教師たちはこの変更を歓迎している。

 マーク・ジョンストン(Mark Johnston)調教師は、これまでの対象期間「11月~11月」は各対象期間の獲得賞金額を比較するときに"気が変になる"と述べていた。今回、対象期間を急遽「1月~12月」に戻すことになったため、2016年リーディングの対象期間は2016年1月1日からとなり、2015年11月~12月は対象外となる。

 対象期間がこれまでどおり「11月~11月」であれば、現時点でのリーディングトレーナーのマルコ・ボッティ(Marco Botti)調教師と、2位のジョンストン調教師との差は5,000ポンド(約80万円)だった。しかし「1月~12月」に戻したことで、その差は2万5,000ポンド(約400万円)以上に広がった。

 調教師全国連合会(National Trainers Federation: NTF)は、昨年から「ギニー開催(4月末~5月初め)から英国チャンピオンズデー(10月)まで」となった平地の騎手と馬主のリーディングの対象期間は、多くの主要レースが対象外となり十分でないと判断した。したがって声明には、「2010年まで採用されていた対象期間に戻すことが、"一番理に適っている"」と記されている。

 これまでのリーディング対象期間「11月~11月」は2つの平地シーズンに跨り、11月~12月の2歳戦の成績は、翌年のリーディング決定に影響を与えていた。

 ジョンストン調教師はこう語った。「理に適った対象期間に戻ることとなり満足しています。これまでは、前年度の数字と比較しにくいので気が変になりそうでした。とりわけ、同じ対象期間に前年の2歳世代とその年の2歳世代の競走成績が含まれることは愚の骨頂です」。

 以前リーディングに輝いたリチャード・ハノン(Richard Hannon)調教師はこう語った。「これは間違いなく正しい決定です。年末の2歳戦の成績が翌年のリーディング争いにカウントされることはおかしなことです。調教師のリーディング争いは調教師のものであり、今回の変更は調教師が望んでいた結果です」。

 「騎手のリーディング決定の対象期間のように、短くすべきではありません。調教師はオールウェザーの競走が行なわれるシーズンも一生懸命働いているので、その時期の成績もリーディング決定に含まれるべきです」。

 ブックメーカーはすでに、今年の調教師リーディング決定の対象期間を「11月~11月」として、賭けの対象としている。現時点ではジョン・ゴスデン(John Gosden)調教師が1番人気である。

 ウィリアムヒル社(William Hill)のスポークスマンのジョン・アイヴァン-デューク(Jon Ivan-Duke)氏は、こう語った。「賭事客とブックメーカーにとって、賭けの対象のルールを途中で変更することは公平でありません。したがって、この発表前に弊社で賭事を行った人々は、土曜日の締め切りまでに行った賭事を取り下げることができます。とはいえ、私たちはこの変更が調教師のリーディング争いに与える影響はほとんどないと考えており、オッズは変えていません」。

 NTFのCEOルパート・アーノルド(Rupert Arnold)氏はこう語った。「近年リーディング争いについて多くの議論が巻き起こっていました。調教師たちはリーディング決定の対象期間が単純化され、平地シーズンのレース結果が適切に反映されることを熱望していました。対象期間が元に戻ることで、これが叶えられます。全ての人々を満足させるとは思いませんが、平地シーズンの流れを考えると、一番理に適った対象期間です」。

By Jon Lees

(1ポンド=約160円)

[Racing Post 2016年4月14日「Trainers' title format returned to calendar year」]


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