米国のセリ会社、アナボリック・ステロイドに関するルールを修正(アメリカ)[生産]
キーンランド協会(Keeneland Association)、ファシグ・ティプトン社(Fasig-Tipton Co.)、OBS社(Ocala Breeders' Sales Company)は、アナボリック・ステロイドに関するルールの修正を発表した。
セリに上場される当歳馬・1歳馬・2歳馬は、これまでセリの45日以上前であればステロイドを投与することが認められていた。しかし今回の修正でこの規定は削除される。修正された市場規程は7月1日に発効する。
これまでは、上場される当歳馬・1歳馬・2歳馬にセリの45日前からアナボリック・ステロイドが一切投与されていないことを、コンサイナーが保証していた。
今後、これら大手3社のセリにおいて、購買者は若馬を購買する際に薬物検査の実施を要求できる。ステロイドの陽性反応が出た場合、購買者は24時間以内に通知することにより購買を撤回する権利を有する。
キーンランド協会の販売担当理事のジェフリー・G・ラッセル(Geoffery G. Russell)氏、ファシグ・ティプトン社の会長兼CEOのボイド・T・ブラウニング(Boyd T. Browning Jr.)氏、OBS社会長のトム・ヴェンチュラ(Tom Ventura)氏は共同声明で次のように述べた。「これは公正確保に関わる問題です。購買者の信頼を高め、サラブレッドの販売プロセス全体の公正を確保するためには、この修正が不可欠であることに我々3社は合意しています。現在発展しつつある検査方法を利用することができるので、市場規程に反映させます」。
要約すれば、市場規程の修正部分は以下のとおりである。
―購買者は購買時に、馬から血液を採取しアナボリック・アンドロジェニック・ステロイド(筋肉増強剤)の有無を調べる検査を要求する権利を有する。
―各セリ会社は認定研究施設で薬物検査を実施し、その検査結果をコンサイナーと購買者に適時報告する。
―購買馬からアナボリック・アンドロジェニック・ステロイドの陽性反応が出た場合、購買者は24時間以内に通知することにより、購買を撤回し、コンサイナーへ馬を返還する権利を有する。
―購買者は500ドル(約5万5,000円)の検査費用を負担する。ただし、陽性反応が出た場合は、コンサイナーがこの費用を負担することになる。
By Blood-Horse Staff
(1ドル=約110円)
[bloodhorse.com 2016年3月22日「Sales Companies Amend Steroid Policy」]