リアルインパクト、豪州にシャトルされる(オーストラリア)[生産]
豪州の名門牧場アローフィールドスタッド(Arrowfield Stud)は2016-17年南半球繁殖シーズンに、3頭の種牡馬を迎える。そのうち1頭はディープインパクトの初年度産駒であるリアルインパクトであり、あとの2頭は重賞を制したリダウツチョイス(Redoute's Choice)産駒である。
リアルインパクトは、日本で最も有力な種牡馬ディープインパクトの産駒である。堀宣行調教師に管理されて3歳の時に安田記念(G1・東京競馬場)を制し、5歳と6歳の時に阪神カップ(G2)を連覇した。
7歳の時(2015年)に豪州へ遠征し、ジョージライダーS(G1・ローズヒル競馬場)で有力馬クライテリオン(Criterion)を破って優勝し、ドンカスターマイル(G1・ランドウィック競馬場)でカーマデック(Kermadec)の2着となった。
リアルインパクトは、ノーザンレーシングの生産で、母はトキオリアリティー(Tokio Reality 父メドウレイク)である。半兄にG1馬アイルラヴァゲイン、半弟にG3・2着馬ネオリアリズムがいる。
同馬は社台スタリオンステーションで供用1年目を過ごした後、豪州にシャトルされる。
アローフィールドスタッドのもう2頭の新種牡馬は、リダウツチョイス産駒のパンザーディヴィジョン(Panzer Division)とシザーキック(Scissor Kick)である。
パンザーディヴィジョン(ポール・メッサーラ厩舎)は2歳で新馬戦を制した。3歳の時にランドウィック競馬場のG3競走で、後のコーフィールドギニー(G1)優勝馬シューティングトゥウィン(Shooting To Win)を破って優勝した。
母デザートファイト(Dessert Fight)はチリのG1・2勝馬であり、母父ヒューソネット(Hussonet)はブルーダイヤモンドS(G1)勝馬エクストリームチョイス(Extreme Choice)の母父でもある。
シザーキックは3歳の時、アップアンドカミングS(G3)でパンザーディヴィジョンをハナ差で破って優勝した。その次走となったゴールデンローズS(G1)では、ハロウドクラウン(Hallowed Crown)にわずかアタマ差で敗れて2着となった。
同馬はその後エスキモープリンスS(G3)で優勝し、2015年オールエイジドS(G1)でディシデント(Dissident)の4着となった。
シザーキックの母は、コヴェントリーS(G2)勝馬スリーヴァリーズ(Three Valleys)の半姉で勝鞍のあるバックパス(Back Pass 父クエストフォーフェイム)である。ジャドモントファーム(Juddmonte Farm)が誇るこのファミリー(牝系)は、ダンシリ(Dansili)、カシーク(Cacique)、シャンゼリゼ(Champs Elysees)を出している。
アローフィールドスタッドのジョン・メッサーラ(John Messara)会長はこう語った。「アローフィールドスタッドにこれらの種牡馬を迎えることは、私たちの二大戦略を反映しています。すなわち、豪州の生産者に外国から素晴らしい異系交配をもたらすことと、デインヒル(Danehillリダウツチョイスの父)のサイアーラインの中でも最強の系統を追求することです」。
「私たちは日本で最も有力な種牡馬ディープインパクトのトップクラスの産駒を確保できたことに満足しています。リアルインパクトは豪州のレースで、現地の優秀なマイル馬を相手に最高のパフォーマンスを見せました」。
「シザーキックとパンザーディヴィジョンは、スニッツェル(Snitzel)やナットアシングルダウト(Not A Single Doubt)とともに、ベネトー(Beneteau)の死亡による穴を埋めてリダウツチョイスの血統を確立するために、馬格・遺伝子・競走成績をその産駒に伝えることでしょう」。
By Bloodstock World Staff
[Racing Post 2016年3月14日「Real Impact among three new Arrowfield sires」]