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2015年02月05日  - No.5 - 3

ブラックキャビアの調教師の管理馬から禁止薬物コバルト検出(オーストラリア)[獣医・診療]


 ブラックキャビア(Black Caviar)を管理していたピーター・ムーディー(Peter Moody)調教師は、昨年、管理馬の1頭が禁止血液ドーピング剤コバルト(cobalt)の陽性反応を示したことで、3年間の調教停止処分が科される可能性がある。

 豪州の一流トレーナーの1人であるムーディー調教師は、この陽性反応を受け、近日中にレーシングヴィクトリア社(Racing Victoria Ltd.)の裁決委員による審理を受ける。

 かつて自転車ロードレースで蔓延した悪名高き薬物EPO(エポゲンEpogen)に似た効果をコバルトは有している。

 豪州のメディアは陽性反応を示した馬はリダリ(Lidari)であると伝えており、同馬はコーフィールドカップ(G1)とメルボルンカップ(G1)でそれぞれ6着と19着となった。

 この陽性反応について自ら発表することを選んだムーディー調教師は、次のような声明を出した。「2014年スプリングカーニバルで管理馬の1頭が禁止薬物の陽性反応を示したことを知らされ、ひどくショックを受けています」。

 「このようなことが起きた原因は不明であり理解不能です。この件について一刻も早く結論を出すようレーシングヴィクトリア社の公正サービス部と一緒に取組みます」。

 「ヴィクトリア州のサラブレッド競馬界における自分の役割に私は大きな誇りを持っています。調教事業に熱心に取り組み、素晴らしい馬主の方々を支え、最高の誠実さとプロ意識を持つスタッフを支援するよう努めています。今後数ヵ月間はこの目標を追求しつつ、潔白を証明するためにあらゆる手を尽くします」。

 「この発表後に始められる審理に関しては、結論が出るまでコメントを控えるつもりです」。

 英国の薬物検査体制はコバルトを見つけ出すことが可能であり、英国競馬界でのコバルト使用の証拠は見当たらないと、BHA(英国競馬統轄機構)は1月13日に述べた。

 EPOのように血液中の酸素を増やすとされている塩化コバルト(cobalt chloride)が豪州で使用されていた証拠が頻出していることを受け、1月1日に発効した豪州の競馬施行規程においては新しい閾値が採用された。

 IFHA(国際競馬統轄機関連盟)も国際的に認められる閾値の確立に取組んでいる。また米国インディアナ州は1月12日、スタンダードブレッドとサラブレッドへのコバルト濫用が2014年9月の新ルール発効後に96.8%減少したと報告した。

 BHAのスポークスマンであるロビン・マウンジー(Robin Mounsey)氏は、「コバルトは自然発生的で不可欠な栄養素のミネラルなので馬体内で微量見つけることができ、すべての馬が体内に低レベルで有しています。また獣医師によるさまざまな合法的な治療においても微量で存在します」。

 「しかし赤血球生成を促進させることを意図して化学物質としてコバルトを使用することは、英国競馬界では認められていません。BHAの最近の調査と進行中の監視活動からは、英国競馬界におけるコバルトの不正使用の証拠は見つかっていません」。

By Tom Kerr

(関連記事)海外競馬ニュース 2014年No.16「ヴィクトリア州、競走能力向上を目的としたコバルト使用を禁止(オーストラリア)

[Racing Post 2015年1月12日「Black Caviar trainer Moody in cobalt drugs investigation」]


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