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海外競馬ニュース
2015年10月22日  - No.42 - 2

ムーア騎手、香港の短期騎手免許を取得(香港)[その他]


 ライアン・ムーア(Ryan Moore)騎手は、香港ジョッキークラブ(Hong Kong Jockey Club)の短期騎手免許を取得した。カリスマ性のあるブラジル人騎手、ジョアン・モレイラ(Joao Moreira)騎手と香港で技を競うことになる。世界一を目指すムーア騎手にとって、モレイラ騎手は最大のライバルと目されている。

 32歳のムーア騎手は10月13日、香港の短期騎手免許(1月17日〜2月28日)を取得した。これまで世界中で多くのG1勝利を達成してきた同騎手は、香港の記録破りのリーディングジョッキーであるモレイラ騎手と対決することになる。

 香港で“マジックマン”の名で親しまれているモレイラ騎手は、昨シーズン145勝を挙げ、ダグラス・ホワイト(Douglas Whyte)騎手が樹立したシーズン最多勝記録114勝を破った。

 才能豊かで1つの目標に打ち込むムーア騎手にとって、この記録は懸念材料とはならないだろう。ムーア騎手は首の怪我により2ヵ月間戦線離脱していたが、最近騎乗を再開した。

 英国で3回リーディングジョッキーに輝いたムーア騎手は、英国、アイルランド、フランスでクラシック競走を、また、日本、米国、カナダでG1競走を制している。昨年は、豪州の二大レースであるコックスプレート(G1)とメルボルンカップ(G1)の両方を制した。

 また2010年には、エド・ダンロップ(Ed Dunlop)調教師が管理したスノーフェアリー(Snow Fairy)を香港カップ(G1)優勝に導いた。


騎乗が難しい馬場

 ムーア騎手の到着は、元同僚騎手で現在香港に拠点を置くニール・カラン(Neil Callan)騎手に歓迎されるだろう。カラン騎手は昨シーズン、リーディング5位であった。

 すでに8勝を挙げ、今シーズンの滑り出しが好調なカラン騎手は、次のように語った。「ライアンは、日本や豪州で騎乗していますが、香港とは少し異なります。ここでは全く違う体験をするでしょう」。

 「香港の馬場は騎乗が難しいと言われていますが、ライアンは世界レベルの騎手ですし、良いサポートも受けるでしょう」。

 今月、ノットリスニングトゥミー(Not Listening'tome)でナショナルデーカップ(香港G3)を2馬身差で制したカラン騎手は、次のように続けた。「ライアンは親友であり、妻同士の仲も良いです。だから、しばらく一緒に過ごせることを嬉しく思いますが、競い合うことも楽しみにしています」。

 「ここには、モレイラ騎手やその前にリーディングであったザック・パートン(Zac Purton)騎手など、数人の優れた騎手がいます。ライアンと一緒に彼らとの戦いに挑むのは楽しみです」。

 フランス人騎手2名も香港で短期騎乗を予定している。それは、アルシャカブレーシング社(Al Shaqab Racing)の契約騎手であるグレゴリー・ブノワ(Gregory Benoist)騎手と、障害リーディングジョッキーで平地に転向したヴァンサン・シュミノー(Vincent Cheminaud)騎手である。


香港で活躍中の騎手

・ジョアン・モレイラ騎手
賭事客の強い味方モレイラ騎手は、2013年に香港に拠点を移す前はシンガポールでトップを独占していた。香港史上最高のレーティングを誇る人気馬エイブルフレンド(Able Friend)の主戦騎手でもある。

・ダグラス・ホワイト騎手
2013-2014年シーズンにザック・パートン騎手に首位を奪取される前までは、13年連続でリーディングに君臨していたベテラン騎手。彼の最多勝記録を塗り替えたのは、モレイラ騎手だけである。

・ザック・パートン騎手
2007年に香港に拠点を移したオーストラリア人騎手。ホワイト騎手が独占していた首位を奪取し、1シーズン100勝以上を達成した3人の騎手のうちの1人である(あとの2人は、ホワイト騎手とモレイラ騎手)。

・ニール・カラン騎手
2005年と2007年に英国リーディングランキングで2位となった。英国の競馬ファンにとってはお馴染みの騎手。2010年から香港で騎乗し始め、昨シーズンは通年免許を取得した。

By James Burn

[Racing Post 2015年10月13日「Moore arrival to spark Magic Man rivalry」]


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