マッコイ元騎手、チャリティー競走騎乗と映画公開について語る(イギリス)[その他]
20年間、トニー・マッコイ(Tony McCoy)元騎手は、僅かな食事で我慢し、バスタブに浸かって減量してきた。このため、4月の引退以降、すぐに数キロ太っても仕方ないのかもしれない。
しかし、偉大な障害騎手は、9月9日のレジャーレジェンズレース(ドンカスター競馬場)での1回限りの競馬復帰に向け、史上最多勝騎手らしく、優勝に狙いを定めて再び体重管理をしていることを明らかにした。
マッコイ元騎手は、ウィリアムヒル社(William Hill)のブログで、次のように語った。「“再び体重管理をしている”と、これほど早く表明することになるとは、想像していませんでした。レジャーレジェンズレースに向け、ジョンジョー・オニール(Jonjo O'Neill)調教師の調教場で騎乗しているのですから、体重管理には十分な理由があります」。
「体重が少し増えているので、減量のために騎乗しています。チャリティーレースで騎乗するのは、最初で最後の経験になると思います。二度と騎乗するつもりはありませんでしたが、ジャックベリーハウス(Jack Berry House 負傷騎手基金のリハビリ施設)のオープニングの際に、ベリー氏は私にやれるかどうか聞いてきました。彼は、50万ポンド(約9,750万円)以上の寄付を集めるでしょうが、自分も、せめてチャリティーレースの騎乗くらいはしたいと思いました。できれば勝ちたいと考えています」。
「勝ち負けは重要ではないと言う人もいます。しかし、そう言う人は、おそらく負けます。勝つことがすべてでしょう。参加することに意義があると言う人は、全くお話になりません。負傷騎手基金(Injured Jockeys' Fund)の後援者として、少しでも力になることが重要です」。
ドキュメンタリー映画がまもなく公開
マッコイ元騎手は、まもなく公開予定のドキュメンタリー映画“ビーイングAP(Being AP)”についても語った。
この映画は、20回目の障害リーディングタイトルの獲得を目指すマッコイ騎手に密着し、チェルトナムフェスティバル、グランドナショナル開催、サンダウン競馬場での現役最終日を取材している。
マッコイ元騎手は、「『ビーイングAP』は今年のトロント国際映画祭に出品されます。これは、現役最後の年に、カメラに追い回された成果です」と語った。
そして、次のように続けた。「主に、小さい息子アーチー(Archie)のために、決めたことです。彼がもう少し大きくなったときに、私の騎手生活をもう一度見ることができます。実際、撮影は楽しかったですし、カメラに気付きませんでした。アントニー・ウォンケ(Anthony Wonke)監督は、英国アカデミー賞を3回受賞しています。彼に撮ってもらったことは、私にとって最高のチャンスでした」。
「演技をすることに、自分が向いているとは思いません。ヴィニー・ジョーンズ(Vinnie Jones現在俳優の元サッカー選手)のような肉体も、強靭な男を演じる気性も、もち合わせていません。したがって、もし私が演技をしていたら、トニー・マッコイの役がどのようになっていたか分かりません」。
『ビーイングAP』予告編:https://www.youtube.com/watch?v=mrIbDGwwE7Y
By Lewis Porteous
(1ポンド=約195円)
(関連記事)
海外競馬情報 2015年No.5「トニー・マッコイ騎手の現役最終日(イギリス)」、
海外競馬ニュース 2015年No.15「負傷騎手基金のリハビリ施設が6月にオープン(イギリス)」
[Racing Post 2015年8月14日「McCoy counting calories as return to saddle nears」]