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2015年05月28日  - No.21 - 1

クールモア牧場、アメリカンファラオの種牡馬としての所有権を購買(アメリカ)[生産]


 5月19日、三冠達成が期待されるアメリカンファラオ(American Pharoah)の種牡馬としての所有権が、ザヤットステーブル(Zayat Stables)から2,000万ドル(約24億円)以上で購買されたことが明らかになった。

 ザヤットステーブルのレーシングマネージャーであるジャスティン・ザヤット(Justin Zayat)氏は、ESPN.comに対し、「6月のベルモントS(G1)を目前に、アメリカンファラオに対する世界中からのオファーを受けていましたが、議論していませんでした。確かにビジネスですが、我々一族はこの馬に莫大な投資を実施してきました」と語っていた。

 その翌日、アメリカンファラオは引退後、ケンタッキー州のアシュフォードスタッド(Ashford Stud クールモア牧場所有)で供用されることが明らかになり、巨大生産事業体であるクールモア牧場が同馬を購買したことが発表された。

 ザヤット氏は、「アメリカンファラオの引退後の拠点がアシュフォード牧場であることを発表でき、光栄に思います」とツイートした。

 アメリカンファラオ(ザヤットステーブル生産)の父パイオニアオブザナイル(Pioneerof The Nile 父エンパイアメーカー)も、ザヤットステーブルの自家生産馬であり、ケンタッキーダービー(G1)は2着であった。同ステーブルは今もパイオニアオブザナイルの所有権の75%を有しており、同馬は今シーズン、ケンタッキー州のウィンスターファーム(WinStar Farm)で繋養されており、種付料は6万ドル(約720万円)である。ザヤット氏は、来年の同馬の種付料は15万ドル(約1,800万円)になると語った。

 ザヤットステーブルは、2005年にアフメド・ザヤット(Ahmed Zayat)氏(ジャスティン・ザヤット氏の父)が創設した。同ステーブルは、昨年のファシグティプトン社11月セールにおいて、アメリカンファラオの全弟を受胎していた母リトルプリンセスエマ(Littleprincessemma 父ヤンキージェントルマン)を、210万ドル(約2億5,200万円)で売却した。

 アメリカンファラオはボブ・バファート(Bob Baffert)調教師に管理されており、G1・5勝を果たしている。その5勝目は、ビクター・エスピノーザ(Victor Espinoza)騎手を背に果たしたプリークネスS(G1・ピムリコ競馬場)であり、7馬身差の勝利であった。

 アメリカンファラオは、1978年のアファームド(Affirmed)以来、達成されていない米国三冠を目指している。バファート調教師が三冠に王手をかけたのは今回で4度目であり、直近は2002年のウォーエンブレム(War Emblem)である。残念ながら、エスピノーザ騎手が騎乗したウォーエンブレムは、発走後に躓き、三冠を逸した。

 ザヤット氏によれば、アメリカンファラオはベルモントSで優勝したとしても、すぐには引退しない。

 アシュフォードスタッドのマネージャーであるダーモット・ライアン(Dermot Ryan)氏は、次のように語った。「ベルモントSで何が起ころうと、アメリカンファラオは将来有望な種牡馬となるでしょう。同馬はすでに最優秀2歳馬となっており、3歳になって4戦4勝です。さらに多くのことを達成すると考えるとワクワクします」。

 クールモア牧場は最近、ゴールデンスリッパー(G1)の勝馬であるバンクーバー(Vancouver)を、報道によれば4,000万豪ドル(約36億円)で購買している。

By Bloodstock World Staff and Lewis Porteous
(1ドル=約120円、1豪ドル=約90円)

(関連記事)海外競馬ニュース 2015年No.17「クールモア牧場、ゴールデンスリッパー優勝馬を約36億円で購買(オーストラリア)」

[Racing Post 2015年5月19日「Studs competing for Triple Crown contender」、
5月20日「American Pharoah to join Coolmore roster」]


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