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海外競馬ニュース
2015年04月16日  - No.15 - 3

ファハド殿下、チャリティーレースで騎手デビュー(アイルランド)[その他]


 4月25日(土)、サンダウン競馬場は、トニー・マッコイ(Tony McCoy)騎手の驚異的な騎手生活を終える舞台となる。まさに同じ日、リムリック競馬場は、もう1人の騎手の人生が始まる舞台となる。ファハド殿下が、同競馬場のチャリティーレースにサプライズで騎乗するのである。

 カタールレーシング社(Qatar Racing)のオーナーであるファハド殿下は、昨年、ロンドンマラソンを自ら完走するのみならず、リチャード・ハノン(Richard Hannon)調教師(2014年リーディングトレーナー)など多くの関係調教師にロンドンマラソンで走るように説得した。そして今回、同殿下は、アイルランド負傷騎手基金(Irish Injured Jockeys:IIJ)の支援を目的として施行されるチャリティーレースへの騎乗依頼を承諾した。

 この騎乗への挑戦を準備したのは、アイルランドでファハド殿下の代理人を務めるピーター・モロニー(Peter Molony)氏である。同殿下は、現在このイベントに熱心に取り組んでいる。このイベントには、元スター騎手のジョン・ムルタ(John Murtagh)氏も参加の予定であり、参加騎手はそれぞれ1,000ユーロ(約13万円)以上の募金を集めなければならない。

 3月23日、ファハド殿下は、次のように語った。「IIJを支援する貴重なチャリティーレースへの騎乗依頼を受けたことは、大変光栄なことです」。

 「このレースに向けて体を鍛えるため、厳しいダイエットとトレーニングを積んできました。2月はほぼ毎日騎乗し、楽しい時間を過ごしました。レースが待ち遠しいです」。

 リムリック競馬場のチャリティーレース開催日は、1940年代と1950年代に同競馬場で活躍し、イギリス国内やアイルランドでも大きな成功をおさめた騎手のティム&マーティン・モロニー(Tim and Martin Molony)兄弟に敬意を表する日である。特注で造られた兄弟の像がその日に公開され、マーティン氏の息子でその日に騎乗予定のピーター・モロニー氏にとって、大変嬉しい日となるだろう。

 モロニー氏は、次のように語った。「ファハド殿下の関与によって、チャリティーレースデーに新しい様相が加わります。殿下が参加して支援することは、本当に素晴らしいことです。私自身も、その日の騎乗を楽しみにしています。私たちの家族にとって、特別な日になるでしょう」。

 IIJの会長を務めるルビー・ウォルシュ(Ruby Walsh)騎手は、次のように語った。「このチャリティーレースが関心をもたれ、支援されていることに興奮しています。レース当日が楽しみです。1レースの最多出走頭数は、14頭です。参加予定の乗り手の数を考慮すれば、その日に2レースを組むことができるでしょう。さらに、2万8,000ユーロ(約364万円)の募金を集められる可能性があり、アイルランドの負傷騎手にとって素晴らしい結果をもたらすでしょう」。

 ファハド殿下、ハノン調教師、デヴィッド・レッドヴァース(David Redvers)氏、デヴィッド・シムコック(David Simcock)調教師、アンドリュー・ボールディング(Andrew Balding)調教師、ロバート・コーウェル(Robert Cowell)調教師、チャーリー・ヒルズ(Charlie Hills)調教師、オリー・スティーヴンス(Olly Stevens)調教師の尽力により、ロンドンマラソンを通じたカタールレーシング社の募金活動は、競馬福祉機構(Racing Welfare)に20万ポンド(約3,600万円)の募金をもたらした。

 しかし、お金を稼ぐことには大変な努力が必要である。ファハド殿下は完走に7時間掛かり、“これまでで最もきつい経験”と述べ、“二度とごめんだ”と断言した。水膨れとキャンディーの食べ過ぎによる吐き気に苦しんだハノン調教師にとっても、きつい挑戦であった。彼は21マイル(33.8km)地点で、ハーフパイント(284ml)のサイダー(リンゴ酒)で生き返ることができた。

By Lee Mottershead
(1ユーロ=約130円、1ポンド=約180円)

(関連記事)海外競馬ニュース 2015年No.17「ファハド殿下とそのチーム、ロンドンマラソン完走(イギリス)

[Racing Post 2015年3月24日「Sheikh Fahad in training for ride in charity race」]


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