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海外競馬ニュース
2015年04月09日  - No.14 - 3

英国中の60競馬場を徒歩で巡る募金活動(イギリス)[その他]


 リチャード・ファークアー(Richard Farquhar)氏は、これまで髭を伸ばすこと以外に、これと言った慈善活動をしたことがない。しかし、3月20日朝、英国中の60競馬場を制覇する2,750マイル(約4,426km)の壮大な旅に出発した。彼の忍耐力を極限まで試す旅となるだろう。

 英国中の競馬場の全場制覇を目指す熱狂的な競馬ファンがいる一方、52歳で4児の父であるファークアー氏は、今後13ヵ月間にわたって各競馬場を徒歩で巡るという独特な挑戦を開始することにした。140万ポンド(約2億5,200万円)以上を集め、英国膵臓癌研究所(Pancreatic Cancer UK)と競馬福祉協会(Racing Welfare)に寄付することを目標としている。

 ヘンリー・キャンディ(Henry Candy)氏と共同で競走馬を所有するファークアー氏は、2012年に父ピーターを膵臓がんで失い、この着想を得るに至った。そして、昨年にはジョン・ヒルズ(John Hills)調教師とディシー・ヒューズ(Dessie Hughes)調教師が同様の膵臓がんで亡くなったことを受け、この行動に駆り立てられたのである。

 その後、ファークアー氏は1,000マイル(約1,609km)のウォーキングなどから成る4ヵ月間のトレーニングに励み、体重を15ストーン10ポンド(100 kg)から14ストーン7ポンド(92 kg)に落とした。そして3月19日、ニューマーケット競馬場を出発し、3月23日に開催前のトウセスター競馬場に至る第1歩行区間[70マイル(約113km)]に臨んだ。

 “競馬場間を歩こう(Walking The Courses)”と名付けられたこの慈善活動は、ファークアー氏が、競馬開催日に各場に到着するように競馬場間を歩き、英国を縦断するという壮大なチャレンジである。4月1日からは、第2歩行区間であるパース競馬場からマッセルバラ競馬場までを歩き、その後はセッジフィールド競馬場からレッドカー競馬場まで、さらにバース競馬場からトーントン競馬場までを歩く。ただし、疲労回復のための休養期間も認められている。

 9月末までに、全行程の大部分が踏破される予定である。ファークアー氏は計画の作成過程において、天候が重要な要素であることを理解していた。このため、来年4月にニューマーケット競馬場のクレイヴン開催で終えるまでに、万一の事態や怪我で遅れが生じた場合は、その遅れを調整できる計画を立案した。

 ファークアー氏には、毎日サポーターが付き添う。「手ごわい挑戦ですが、“ただ歩いているわけではない”と自分に言い聞かせています。トレーニングを積んだことにより、1日のノルマである25マイル(約40km)を歩くことは平気になりました」。

 「3日間で70マイル(約113km)を歩いた後は、どのような心境か分かりませんが、大丈夫と思っています。しかし、来年2月から挑戦するラドロー競馬場からフォスラス競馬場までのブレコン・ビーコン山地越えの歩行区間には、少し不安を抱いています」。

 すでに3万2,000ポンド(約576万円)以上の募金が集まっており、フォークアー氏は次のように語った。「この計画の最も素晴らしいことは、出発前までも競馬界が関与してくれるまでに広がりを見せていることです。競馬界の多くの人々がこの計画に関わり、支援しようとすることは、全く驚きです」。

 この慈善活動に興味をお持ちの方は、以下のウェブサイトを参照されたし。http://www.walkingthecourses.com/

By Graham Green
(1ポンド=約180円)

[Racing Post 2015年3月20日「Farquhar sets off on his epic racecourse trek」]


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