フランスギャロ、ペースメーカーに関する新ルールを発表(フランス)[開催・運営]
フランスギャロ(France Galop)は、“チーム戦術”に対して、英国の現行ルールに近いルールを導入した。しかし、規定担当理事のアンリ・プレ(Henri Pouret)氏は、3月初めに発効した新ルールは、ペースメーカー(訳注:レースで馬群の速度を左右する立場にいる先頭馬)の利用を禁じるものではないと述べている。
競馬施行規程第166条(II)に追加された規定では、同一馬主の別の出走馬に対し、明らかに有利となるような戦術は禁じられる。
これは、BHA(英国競馬統轄機構)の競馬施行規程第57条に概ね一致しているが、ペースメーカーの役割については特段言及していない。
プレ氏は次のように語った。「この方針は、ペースメーカーの利用を禁止するものではなく、英国で“チーム戦術”と呼ばれている戦術に対するルールの強化です。英国には“チーム戦術”に関する条項があります。しかし、フランスでは、これまで走行妨害が生じたときのみ裁決委員は措置を講じられ、このことを基準としてきました。今後、ペースメーカーに騎乗する騎手は、真っ直ぐ走行させなければならず、同一馬主の別の出走馬を支援する進路変更はできません。もし、進路変更すれば、たとえ他馬の走行を直接的に妨害することがなくても、間接的に他馬への妨害行為になり得ます」。
裁決委員がルール違反と判定した場合、騎手には罰則が科されるが、その戦術で有利となった馬は失格とならない。
フランスギャロは、同一馬主の出走馬に関する賭事目的上のルールは緩和したが、一方で、今回のルール強化を実施した。
プレ氏は、「以前は、馬主が複数の出走馬それぞれの所有権の25%以上を有している場合は、同一馬主としてこのルールが適用されました。しかし、現在は同じ勝負服の出走馬だけを同一馬主のものとしました」と付言した。
By Scott Burton
[Racing Post 2015年3月18日「France Galop reveals new rules on team tactics」]