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海外競馬ニュース
2014年02月06日  - No.5 - 3

所有馬頭数を今後減らす意向の馬主が多いことに懸念の声(イギリス)[その他]


 馬主協会(Racehorse Owners Association: ROA)のCEOリチャード・ウェイマン(Richard Wayman)氏は、競馬への関わりを広げようとしている馬主よりも、所有馬を減らすあるいは競馬界から去ろうとしている馬主の割合が大きいことを示したROAメンバー対象のアンケートの結果を、“深刻に憂慮すべき”と言い表した。

 ウェイマン氏は、時間が経ってこのアンケート結果が現実のものとなれば、競馬の競争力はさらに下がるだろうと述べ、この結果をもとに特にアリーナレーシング社(Arena Racing Company:ARC)傘下の競馬場に対して賞金額契約への合意を呼びかけた。

 ROAメンバー4,088人に送付され馬主の意向を調べることを目的としたこのアンケートの有効回答は、合計662通であった。質問の1つは、「あなたの所有頭数は3年後にどうなっていると考えるか?」というもので、17%は現在の所有頭数を維持すると答えたのに対し、19%は所有頭数を減らすと答え、6%はすべての所有馬を手離すと答えた。この結果は、否定的な意向が肯定的意向を8%上回ることになり、またこの数字は個人馬主に限れば18%に上る。

 さらにこのアンケートでは、賞金額の水準について45%が“馬主であることの最悪の面”とし、58%が“競馬の最も重要な問題”と答えている。

 ウェイマン氏は次のように語った。「この5年間で馬主が一貫して減少してきている中で、アンケート回答者の4分の1が今後3年間で所有頭数の削減あるいは競馬からの撤退を考えていることは、深刻に憂慮すべき事態です」

 「回答者の17%が所有馬を増やすことを望んでいますが、競馬の競争力についての懸念は、馬の所有をもっと魅力的なものにしない限り増大するのみです」。

 「今回のアンケートにより、そのためにやらなければならないことが1つに限らないことが確認されましたが、賞金額の水準が引き続き最重要問題であることは明らかです。賞金額は2014年に初めて1億2,000万ポンド(約204億円)を超える予定ですが、英国は他の多くの競馬大国に大きく後れを取ったままです。政府の助けを借りて海外賭事業者の問題を解決することと、アリーナレーシング社傘下の競馬場に賞金契約に合意してもらうことは非常に重要なステップです」。

 ウェイマン氏は次のように付け足した。「浮き彫りとなったもう1つの重要な問題は、馬主であることによるコストです。私たちは、馬主が契約書で何をどのように請求されるかを明確にして調教師と契約が交わせるようにしなければなりません」。

 「競馬場での馬主への待遇はさらに大きな問題で、多くの競馬場が改善を行っていますが、馬主の多大なる財政支出に見合う経験を提供するためにさらに努力すべきことが沢山あります」。
  

馬主協会(ROA)のアンケート結果

 

> > 62%の回答者は、馬主の主な楽しみは所有馬が走るところを見ることであると述べている。

 

> > 17%の回答者は、3年後はより多くの馬を所有しているだろうと予想している。

 

> > 6%の回答者は、3年後はもはや馬を所有していないと述べている。

 

> > 58%の回答者は、競馬の最重要問題は賞金額であると述べている。

 

> > 6%の回答者は、競馬の最重要問題は馬の福祉の推進だと述べている。

 

> > 開催日の馬主への待遇が良い競馬場として、平地ではアスコット競馬場、障害ではヘイドック競馬場が挙げられている。

 

 
By Lee Mottershead
(1ポンド=約170円)

[Racing Post 2014年1月3日「Number of owners likely to cut back or quit is a concern]


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