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海外競馬ニュース
2014年11月20日  - No.46 - 2

アイルランド競馬への財政支援、7年ぶりに増加(アイルランド)[開催・運営]


 アイルランド競馬界は、10月14日にマイケル・ヌーナン(Michael Noonan)財務大臣が予算演説で2015年度の財政支援の大幅増加を発表したことで、約1,120万ユーロ(約15億6,800万円)の予算増額を得ることになった。

 競馬・グレイハウンド基金(Horse and Greyhound Fund)への割当金は、本年度の5,400万ユーロ(約75億6,000万円)から約6,800万ユーロ(約95億2,000万円)に引き上げられ、それを80対20で分けるので、競馬界は1,120万ユーロ(約15億6,800万円)、グレイハウンド界は280万ユーロ(約3億9,200万円)の追加資金を受け取ることになる。

 ホースレーシングアイルランド(Horse Racing Ireland)のCEOブライアン・カヴァナー(Brian Kavanah)氏とアイルランド調教師協会(Irish Racehorse Trainers’ Association)のノエル・ミード(Noel Meade)会長は、このニュースを心から歓迎している。

 元リーディング障害競走トレーナーであるミード会長は、「競馬界への財政支援に何か変化がもたらされることを期待していましたが、これは本当に良いニュースです。この資金の大半は投資に回されます」と語った。

 カヴァナー氏はこの予算発表を「競馬産業にとって非常に前向きで、政府は競馬産業のアイルランド経済全体に対する貢献を強く認識しています」と歓迎した。

 そして次のように続けた。「この予算増額は6年間続いた予算削減の後にもたらされたものです。予算演説の日、このような朗報がもたらされるとは想像していませんでしたが、多少は期待していました。本日の非常に歓迎すべきニュースは、競馬産業全体の政府への揺るぎない主張が聞き入れられたことを示しています」。

 カヴァナー氏は次のように付言した。「ヌーナン大臣が賭事税と競馬の財源の関連性を強調してくれたのは良いことでした」。

 「私たちは12月に年次予算会議を開催し、その時にこの資金をどのように使うか検討する予定です」。

 競馬界を監督する農業・食糧・海洋省のサイモン・コヴェニー(Simon Coveney)大臣は予算演説後の記者会見で、この予算の増額は賭事金額の増加を背景に承認されたものであると説明した。

 そして次のように続けた。「今年、私たちは競馬・グレイハウンド基金への支援を300万ユーロ(約4億2,000万円)増加させた上に、競馬場開発資金として500万ユーロ(約7億円)と、その上さらに600万ユーロ(約8億4,000万円)を提供しました。増加額は全体で1,400万ユーロ(約19億6,000万円)となります」。

 「見通しでは、割当金は今後3年間600万ユーロ(約8億4,000万円)増加するようですので、来年も600万ユーロ増加すると予測しています」。

 「この背景には、財務省に納められるオンラインと遠隔賭事からの収入が今後増加していくことがあります。来年は約2,500万ユーロ(約35億円)の収入が見込まれており、これにより来年の競馬界への支援を増加できます」。

 「好景気のときは、基金は7,000万ユーロ(約98億円)にまで増えましたが、前政権はそれを2,000万ユーロ(約28億円)以上削減しました」。

 「私たちは現状を保つように努めてきました。過去3年間で300万ユーロ(約4億2,000万円)減少しましたが、私がここ3年間主張してきた新しい収入源がありますので、今やチャンスです」。

 コヴェニー大臣は、提案されているオンラインおよび遠隔賭事税が来年予測どおりの2,500万ユーロ(約35億円)に達しない場合どうなるのかと質問され、次のように語った。

 「ヌーナン大臣は本日そのことについて確約しました。私のチームではなく、ヌーナン大臣のチームが現在税収入を算出しています」。

 「もちろん私たちは新しい賭事法について財務省と話し合ってきましたが、ヌーナン大臣は私たちが考えている収入額程度になることに確信を持っているようです」。

By Tony O’Hehir
(1ユーロ=約140円)

[Racing Post 2014年10月15日「Irish racing receives €11.2m Budget boost」]


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