TOPページ > 海外競馬ニュース > PMUのジェルモン会長、突然の辞任(フランス)[開催・運営]
海外競馬ニュース
2014年10月02日  - No.39 - 1

PMUのジェルモン会長、突然の辞任(フランス)[開催・運営]


 びっくりするニュースが9月9日に舞い込んだ。思いがけないことに、フィリップ・ジェルモン(Philippe Germond)氏がPMU(フランス場外馬券発売公社)の会長を辞任することを決意したのだ。

 ジェルモン氏は本紙の5月のインタビューで、「2020年にはどのような立場にありますか?」という質問に「PMUのトップでしょう」と答えていたので、まさに青天の霹靂である。PMUの関係会社に送付した書面において、ジェルモン氏は「PMUのトップを5年あまり務めましたが、新しいキャリアに挑戦することを決意しました。今後数週間のうちにPMUを退職しますが、心残りもあり、また、達成感もあります」と述べている。

 ジェルモン氏は午前中にこの決意を経営委員会に知らせていた。ベルトラン・ベランギエ(Bertrand Bélinguier)氏(1997年〜2009年のPMU会長、現フランスギャロ会長)の後継者ジェルモン氏は自らの意思で辞任し、経済紙のレゼコー紙(Les Echos)によれば、今後はユーロップカー(Europcar 欧州最大のレンタカー会社)の指揮を執る。ユーロップカーは年内に証券取引所に上場する予定なので、この新たな挑戦は野心的な同氏にふさわしい。

 ジェルモン氏の職歴には圧倒させられる。2009年5月にPMU会長に任命されたジェルモン氏は、2012年から2016年までの任期も再任されていた。年間発売金総額100億ユーロ(約1兆4,000万円)以上の欧州最大の賭事会社PMUのトップという重要ポストに就任する前、ジェルモン氏は1995年にSFR(大手電気通信事業者)の会長、1997年にセジェテル(Cegetel ヴィヴァンディ社が設立した電気通信業者)の会長、2000年にヴィヴァンディ・テレコム・アンテルナショナル(Vivendi Telecom International)の会長に就任している。2002年にはアルカテル(Alcatel 通信システム・装置メーカー)の専務理事となり、その後2007年にアトスオリジン(Atos Origin ITサービス企業)の会長となった。

 同氏はPMUの歴史において、賭事市場開放に対応しPMUの活動をスポーツ賭事やポーカーにまで広げた人物として、その名が刻まれるだろう。同氏はPMU2020計画(訳注:成長分野の海外への拡大、デジタルネットワークとソーシャルネットワークの促進に投資し、2020年までにPMUを発展させる計画)を始動させ、PMUの発展、とりわけ国際事業で大きな役割を果たした。そして、これまでにないほどグループを団結させるのに成功した。PMU店舗群の大改修の準備は2015年から始まると予想されており、ジェルモン氏が“嵐に遭った船から逃げ出す”と批判する者もいる。いずれにせよ、この辞任が非常に難しい状況の中、大変悪い時期に発表されたことを受け止めなければならない。経済利益団体(Groupement d'Intérêt Economique)であるPMUのトップを務めることは一筋縄では行かないので、同氏の後継者の任務は非常に骨の折れるものとなると予想される。

By Christophe Ugnon-Fleury et Sylvain Copier
(1ユーロ=約140円)

[Paris Turf 2014年9月10日「Démission surprise de Philippe Germond」]


上に戻る