一流調教師グループが競走当日のラシックス使用の禁止を要求(アメリカ)[獣医・診療]
大多数の競馬国が間違いなく称賛する進展があった。トッド・プレッチャー(Todd Pletcher)調教師やD・ウェイン・ルーカス(D. Wayne Lukas)調教師など25名の一流調教師のグループが、米国における競走当日のラシックス使用の段階的な撤廃を主張したのだ(訳注:ラシックスとはフロセミドの商品名であり、サリックスとも言う)。
8月1日発表のこの提案は、2015年初めから2歳馬への競走当日薬物使用を禁止し、2016年にはすべての馬への全面禁止を要求している。
現在、米国において肺出血を和らげるとされる利尿剤ラシックスの競走当日使用は合法とされているが、この行為は欧州や、北米以外の大半の主要競馬国において違法とされている。
数人の一流馬主や一流生産者、ジョッキークラブ、そして他の米国の競馬団体が賛同することにより、大半がニューヨークの調教師からなるこのグループは、競走当日薬物使用の問題に再び世間の注目を集めさせた。
とは言え、今年北米で管理馬を出走させた調教師は8月2日までに5,708人になるが、提案を行ったのはこの内のたった25人であることを考慮すれば、この提案は米国のホースマンの大多数によって反対されるように思われる。
このイニシアティブを支持する他の調教師は、グラハム・モーション(Graham Motion)氏、ニール・ドライスデイル(Neil Drysdale)氏、リチャード・マンデラ(Richard Mandella)氏、シャグ・マゴーヒー(Shug McGauhey)氏、ビル・モット(Bill Mott)氏、クリストフ・クレマン(Christophe Clement)氏、ジョナサン・シェパード(Johathan Sheppard)氏、ロジャー・アットフィールド(Roger Attfield)氏などである。
ルーカス調教師は次のように語った。「競走当日薬物使用について先を見越した立場を取るのはまさに今だと考えています。米国競馬は常に世界のリーダーでしたが、私たちの競馬と国際的な名声への信頼を回復する時が来ています」。
25名の調教師の立場を歓迎するブリーダーズカップ協会(Breeders’ Cup Ltd.: BCL)のビル・ファリッシュ(Bill Farish)会長とクレイグ・フレイヴェル(Craig Fravel)CEOは次のような声明を出した。「BCLは長年、米国を他の競馬主要国と同じ水準にする方針を主張してきましたので、この一流調教師たちのグループを全力で支援します」。
「全国の競馬場と馬主の連合も同じ意見を持つことを確信しています。私たちは財政その他の支援の提供に尽力し、全国的レベルで競走当日薬物使用の段階的撤廃の実施に努めて行きます」。
By Graham Green
[Racing Post 2014年8月3日「Leading US trainers issue new call for raceday Lasix ban」]