ロイヤルアスコット、国際的アピール強化を目指す(イギリス)[開催・運営]
アスコット競馬場は6月中旬のロイヤルアスコット開催への海外からの参加が期待外れだったことを認め、来年は海外遠征馬を増加させようと熱心になっている。
今年は南アフリカから2頭の出走馬があり、また、米国のウェスリー・ウォード(Wesley Ward)調教師の管理馬フーテナニー(Hootenanny)がウィンザーキャッスルSで優勝した。しかし、豪州で最高のスプリンターであるゾウスター(Zoustar)と、ゴールドカップの有力馬だったガイ・ウォーターハウス(Gai Waterhouse)厩舎のフィオレンテ(Fiorente)は故障のために出走を取消し、アジアで最高の短距離馬スターリングシティ(Sterling City)はシンガポールのクリスフライヤーインターナショナルスプリント(G1)に出走した後に遠征を取りやめた。
アスコット競馬場の広報・国際競馬担当理事のニック・スミス(Nick Smith)氏は次のように語った。「海外からの遠征馬があまりいなかったことにがっかりしています。豪州や極東から馬を呼びたいと考えていましたが、残念ながらこういうことはよくあることです。道理のあることではありませんが、過去に起きたことは今年も起きるのです」。
「私たちはこれから2015年について検討を開始します。ブラックキャビア(Black Caviar)の筆頭馬主であるニール・ウェレット(Neil Werret)氏がロイヤルアスコットに来ており、所有馬ルビック(Rubick)を連れて来たがっていました。それにランカンルピー(Lankan Rupee ニューマーケットHや、TJスミスSなど豪州のG1を連勝中のスプリンター)や日本のジャスタウェイのような馬も現役ならば勧誘するつもりです」。
「2012年のリトルブリッジ(Little Bridge)とブラックキャビア(Black Caviar)、2013年のアニマルキングダム(Animal Kingdom)に続き、今年も国際色豊かなここ数年間の流れに乗るべきでした。2005年にグローバルスプリントチャレンジが始まってから、欧州外から53頭の馬がロイヤルアスコット開催のスプリント競走に参戦し、香港馬が2勝、豪州馬が4勝しています。そして豪州からの遠征馬がいないことの方が今や珍しいとみられるような状況になっています」。
開催5日間の入場者数は前年から6,379人(2%)増加し28万5,831人となったが、入場券の発売が制限され、木曜日と土曜日のどちらも過密状態を避けるために売り切れとなっていたので、これらがなければ入場者数はもっと増えていただろう。
接客部門の売上げは20%伸びた一方で、予備的な分析では1人あたりの支出額は前年より10%増加した模様である。
5日間の開催期間中、30件前後の逮捕事案(競馬場内および鉄道警察によるもの)があり、そのうち9件が土曜日だった。しかし、「犯罪事件について知らせる電話は一度も鳴らず、これは良い兆候に違いありません。全ての状況に満足しています」とスミス氏は語った。
そして次のように付言した。「月曜夜に開催されたゴフス社ロンドンセール(Goffs London Sale)は素晴らしい成功を収め(フランケルの最初の産駒がセリにかけられ、その母馬とセットの価格が115万ポンド(約2億円)の高値を付けた)、ロイヤルアスコット開催の幕開けにふさわしいものとなりました」。
「セリがなかったとしても、これはロイヤルアスコットウィークを始めるのにふさわしいパーティーでした。来年もまた開催されることを大変楽しみにしています」。
ロイヤルアスコット開催の入場者数 | ||||
2013年 | 2014年 | 増減 | ||
火曜日 | 4万6,359人 | 4万6,047人 | −312人 | (−0.67%) |
水曜日 | 3万8,758人 | 4万 459人 | +1,701人 | (+4.4%) |
木曜日 | 6万1,954人 | 6万5,419人 | +3,465人 | (+5.6%) |
金曜日 | 5万9,687人 | 6万4,123人 | +4,436人 | (+7.4%) |
土曜日 | 7万2,694人 | 6万9,783人 | −2,911人 | (−4.0%) |
合 計 | 27万9,452人 | 28万5,831人 | +6,379人 | (+2.3%) |
By Graham Green
[Racing Post 2014年6月23日「Increasing international appeal is main goal−Smith」]