TOPページ > 海外競馬ニュース > ヨーロッパ・パターン競走委員会、イタリアの重賞格付けをはく奪(イタリア)[開催・運営]
海外競馬ニュース
2014年05月01日  - No.17 - 2

ヨーロッパ・パターン競走委員会、イタリアの重賞格付けをはく奪(イタリア)[開催・運営]


 欧州競馬のリーダーたちは4月16日、2015年から欧州の主な競馬国の1つであるイタリアの主要レースすべてから重賞格付けをはく奪し、ヨーロッパ・パターン競走委員会(European Pattern Committee:EPC)のメンバー国からイタリアを外し、同国に最大限の制裁を与えることとなった。

 2012年と2013年にイタリアで馬を出走させた国内外の関係者にずっと賞金を支払っていないことにEPCが対応したことで、追い詰められ混乱しているイタリア競馬産業はその歴史ある看板レースの国際的評価を失い、今後孤立することになる。

 結果的にミラノ大賞典や伊ダービーのような有名レースは2015年から重賞格付けを失い、馬主、調教師、生産者にとってこれらのレースに馬を出走させる妥当性や重要性は欠落する。EPCは、3月31日にイタリアに最後通知を言い渡し、それに続いてこの措置を採った。EPCのメンバー国であるドイツはすでにイタリアで出走登録しないことを決定している。

 BHA(英国競馬統轄機構)のCEOポール・ビター(Paul Bittar)氏は、「しばらく膠着状態が続いていましたので、この措置を採ることは現実的です。他のメンバー国と同様に、イタリアは約束を果たさなければなりません」と語った。

 そして、「残念なことですが、イタリアは守るべき約束を果たすことができませんでした。私はイタリアが現在の状況から脱却できることを望んでいます。私たちはイタリアの復活を望みますが、それは彼ら次第です」と続けた。

 EPCのブライアン・カヴァナー(Brian Kavanagh)会長も、「EPCがこの行動方針を採ることは非常に残念です」と同じ感情を吐露した。

 そして、「イタリアの代表者たちに、これまで課された条件を完全に順守した状態になった時にやっとEPCはこの決定を再検討できるだろうと助言しました。その条件は、イタリアの馬主に支払うべき滞納金に関する問題の解決および現在と将来の賞金支払いのための新制度の実施などです。イタリアの競馬統轄機関はこの問題に取組まなければなりません」と語った。

 マルコ・ボッティ(Marco Botti)調教師はイタリアでも有数の競馬一族の出自であるが、EPCのこの措置を支持した。

 「イタリアがやっていることは全く不公平で、受け入れられない状況です。馬主にとって腹立たしい状況です。私の顧客である馬主たちはイタリアのレースに所有馬を出走させましたが、未だに賞金を受け取っていません。このような措置は採られるべきです」。

 「イタリアについては気の毒に思いますが、彼らは変化するべきであり、今の賞金が支払われていない状況を正常な状態に戻す必要があります。収拾が付けられるまで、イタリア競馬を支持できません」。

 昨年イタリアで全30レースの重賞が施行され、そのうち7レースがG1競走であった。アイルランド調教馬は1頭もイタリアのG1に出走せず、10月にサンシロ競馬場で施行されたジョッキークラブ大賞で4着となったエド・ダンロップ(Ed Dunlop)厩舎のジャンヌダルク(Jehnnedarc)がイタリア遠征した唯一の英国調教馬であった。

By Lee Mottershead

(関連記事)海外競馬ニュース 2014年No.1「イタリアの主要競走、グループ格付けはく奪の可能性(イタリア)

[Racing Post 2014年4月17日「Italy expelled from European Pattern for prize-money failures」]


上に戻る