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海外競馬ニュース
2013年02月07日  - No.6 - 3

競馬変革プロジェクト、役割の変更に伴い名称変更(イギリス)[その他]


 英国競馬の普及促進のための手段である競馬変革プロジェクト(Racing For Change: RFC)は、今年その名称を変更する予定であることが明らかになった。

 グレート・ブリティッシュ・レーシング(Great British Racing)がその暫定的な名称であり、RFCを動かしてきた人々は、RFCがこのようになるのは自然の成行きであると認めている。

 グレート・ブリティッシュ・レーシングの役割が今後どのようなものになるかについての詳細はあまり明らかになっていないが、RFCはプロジェクトを策定して実行する事業体としてやれることはすべて成し遂げた、とRFCの関係者は考えているようだ。

 RFCのCEOロッド・ストリート(Rod Street)氏は1月4日、「RFCは、これまでのプロジェクト事業体という立場から、今後競馬を普及促進し販売するための永続的な中心機関となり、グレート・ブリティッシュ・レーシングの名称で活動します」と述べた。

 そして、「しかし、競馬産業関係者への一連のプレゼンは、広範囲にわたり詳細が発表される前の2013年第1四半期中に計画されています」と語った。

 RFCは2009年に、英国競馬の商業部門であるレーシングエンタープライズ社(Racing Enterprises Ltd.)によって立ち上げられた。その当初の戦略は、(1) 競馬のプレミアイベントの決定および展開、(2) 賭事産業との関係の改善、(3) 競馬のマーケティングと広報活動の強化、(4) 顧客の競馬場体験の改善であった。

 RFCの当初計画の内のいくつかは、英国チャンピオンズシリーズやチャンピオンズデーなど結実したが、平地競走のチーム制競走イベントやチェルトナムフェスティバルでの目玉レースへの出走権獲得レースの設定などは途中で挫折した。

 RFCにはそのスタート時から批判があり、場内ブックメーカーに大幅な売上げ減をもたらした10進法表示オッズの試行や、単勝式と複勝式を組み合わせた標準的な複合馬券を販売する場内ブックメーカーを目立たせるために導入されたものの賭事客からはあまり支持されなかった“金色の旗を掲げる制度(ゴールドフラッグシステム)”などは失敗と見られている。

 しかし、スポーツ欄以外での競馬報道が目立って増加したことや、トニー・マッコイ(Tony McCoy)騎手をBBC年度代表スポーツ選手に推すPRキャンペーンなどは、成功例として挙げることができるだろう。

By Bill Barber

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[Racing Post 2013年1月6日「RFC in line for name change to reflect shift in its status」]


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