2014年競馬開催日程の概要が発表され、聖金曜日の開催も決定(イギリス)[開催・運営]
2014年の聖金曜日の競馬開催は、BHA(英国競馬統轄機構)によって基本的に承認されたが、聖金曜日(来年は4月18日)の競馬開催にどの競馬場が画期的な一歩を踏み出すかについては正式に発表されていない。
またBHAが各競馬場に対し賞金額に関するホースメングループ(Horsemen’s Group)との合意にさらに時間の余裕を与えることとしたため、来年の競馬開催日程の発表は来週まで延期となった。
メディア権料の一部の賞金額への拠出を契約で義務付けられることとなるこの合意が、聖金曜日を含む競馬開催日程を決める前提条件となる。)
聖金曜日に賞金額の高い障害平地混合開催を熱望するマッセルバラ競馬場は、ホースメングループと既に合意しているが、リングフィールド競馬場で賞金総額100万ポンド(約1億6,000万円)の開催日を施行する一方、オールウェザー競馬シーズンの賞金額全体に200万ポンド(約3億2,000万円)上乗せすることを計画しているアリーナレーシング社(Arena Racing Company: ARC)は、ホースメングループと条件面でまだ折り合っていない。
10月2日に至ってBHAは2014年競馬開催日程の概要を発表したが、その中で、来年の開催日数は、今年の1,464日より多くなることはないと述べた。
4月の障害シーズン終了後の3日間の休止期間の設定や英国チャンピオンズウィークエンドの創設など、すでにいくつかの特徴が浮かび上がっていたが、BHAは、出走頭数減少のためにオールウェザーの競走開催日を21日間(うち15日は1月〜3月)削る開催日程の“再調整”を今回行った。
BHAが管理する約100日の開催日程はまだ競馬場に分配されておらず、BHAは、ホースメンズグループと競馬場との合意のために1週間の猶予を与えた。
その合意に至らない場合、BHAは競馬の最善の利益に基づいて選択肢を検討し、合意なしで聖金曜日の競馬開催を割り振る権限を理事会に与えると述べた。
聖金曜日の競馬開催には、BHAとホースメングループが賞金面で申請者に求める保証を特別に保護するという条件も付されている。
BHAのCEOポール・ビター(Paul Bittar)氏は次のように語った。「BHA理事会は、さらに多くの競馬場がホースメングループおよびBHAと賞金額について合意する時間を持てるよう、競馬開催日程全体への署名を遅らせることに同意しました」。
「競馬場が賞金額について合意しているか、また賞金額を特別に確約しているかどうかは、BHAが管理する主要な競馬開催日程の分配に影響を与えるでしょう」。
“グレートブリティッシュレーシング”(Great British Racing)のCEOロッド・ストリート(Rod Street)氏は、「聖金曜日は特別な日として推進され、中でもランボーンとミドルハムで開催される厩舎開放日(オープンデー)の露出度はいっそう高まるでしょう」と語った。
そして次のように続けた。「聖金曜日は新たに大幅な収入をもたらし、さまざまな顧客がこの重要な休日に参加せずにはいられなくなる理由となるでしょう」。
「競馬日程を十分に調整して全国的に宣伝することにより、聖金曜日はきっと特別な競馬開催日になるでしょう。そして広範囲にわたる広告キャンペーンの一部として、厩舎開放日の素晴らしさをより広く周知することにも繋がります」。
このニュースはブックメーカーからも歓迎された。コーラル社(Coral)のスポークスマンであるデヴィッド・スティーヴンス(David Stevens)氏は、次のように語った。「聖金曜日の開催は明らかに感動的な話題ですが、私たちに関する限り、それは競馬にとって有益なことです」。
「そしてそれは多くの顧客にとって魅力のあるものであり、賦課金を生み出すでしょうから、私たちは積極的に応援します」。
BHAは、顧客と株主のニーズを満たし競馬への高い財政収入をもたらすバランスのとれた競馬日程の作成に努めてきている、とビター氏は語った。そして「競馬が競争力を持つことは、皆の利益になります。競馬開催日程が創出する収入と、賞金を通じた競馬関係者への利益の両方を最大化できる時期に入りつつあると期待しています」と付言した。
> > BHAは初の聖金曜日の競馬開催を承認する。
> > より多くの競馬場がホースメングループと賞金額について合意できるよう、開催日程全体の発表は延期した。
> > BHAは、2014年競馬開催日数が昨年の1,464日よりも多くはならないことを確認する。
> > 障害シーズンは、サンダウン競馬場の4月開催の後に3日間の休止期間を設けることにより明確化される。
> > 2つのプレミア開催と2つのサポート開催を重要な日(土曜日、クリスマスの翌日のボクシングデー、元旦)に施行する提案により、2014年はその該当日54日のうち52日における開催が達成される。2013年については54日のうち15日は基準を満たさず開催できなかった。
> > BHAはオールウェザーの競走開催日の割り当てを全体で21日減らし、うち15日は1月〜3月の間で削り、障害シーズン中の障害競走開催日を13日追加する。
> > 9月と10月の北部地方の障害競走開催日を、調教師からの追加開催要求により増加させる。
> > 賦課金収入を獲得するための貢献が義務付けられている競馬場に対して、賞金額の引上げにより日曜競馬開催を後押しする。
> > ニューマーケット競馬場のドバイフューチャーチャンピオンズデーが英国チャンピオンズデーの前日に移動し、450万ポンド(約7億2,000万円)の英国チャンピオンズウィークエンドが創設されることが確認された。 |
By Bill Barber
(1ポンド=約160円)
(関連記事)海外競馬ニュース 2014年No.10「復活祭前の聖金曜日に全国一斉厩舎開放日を催すアイデアが浮上(イギリス)」
[Racing Post 2013年10月3日「Good Friday all-clear as fixtures delayed」]