トルコ国際競馬フェスティバルで欧州馬が席巻(トルコ)[その他]
トルコジョッキークラブ(Jockey Club of Turkey)は、先週末にイスタンブールのヴェリエフェンディ競馬場において国際競馬フェスティバル(International Racing Festival)を開催し、欧州調教馬が重賞3大レースすべてを制した。
9月8日の競馬番組は、2つのG2競走を目玉としていた。ジョナサン・パーマー-ブラウン(Jonathan Palmer-Brown)氏所有でリチャード・ハノン(Richard Hannon)厩舎のプロデューサー(Producer)は、トプカピトロフィー(G2)で最後方からレースを進め、最後の数完歩で鋭く伸びて優勝した。そして、ゴドルフィンのロストインザモーメント(Lost In The Moment)もボスフォラスカップ(G2)を最後方から追い込み優勝した。
プロデューサーは、ぶっちぎりの重賞優勝を狙っていたヒュー・モリソン(Hugh Morrision)厩舎のチルザカイト(Chil The Kite)をクビ差とらえ今年重賞2勝目を挙げた。
プロデューサーと同じ厩舎で重賞を何度か制しているリブラノ(Libranno)は5着、ゴドルフィンのクイックウィット(Quick Wit)は9頭立ての7着に終わった。
プロデューサー(4歳 父ダッチアート)は、前2戦(いずれも1400m)では、6月のニューマーケット競馬場のクリテリオンS(G3)では勝ったが、レノックスS(G2)では期待に反する走りで、1番人気馬ガースウッド(Garswood)の最下位だった。
しかし、距離が伸びるマイル競走のトプカピトロフィーに挑戦した同馬は、リチャード・ヒューズ(Richard Hughes)騎手騎乗で芝の良馬場を1分35秒33で駆け抜け、通算20戦で8勝目を挙げた。重賞勝鞍は2012年シュプリームS(G3)優勝がある。
英国チェヴァリーパークスタッド(Cheveley Park Stud)で生産馬されたプロデューサーは、母が競馬殿堂入りを果たした米国の名牝セレナズソング(Serena's Song)を半姉とするリバーセント(River Saint 父アイリッシュリバー)である。
またロストインザモーメントは、欧州G1馬2頭に1馬身差をつけ勝利を収めた。
サイード・ビン・スルール(Saeed bin Suroor)厩舎でミカエル・バルザローナ(Mickael Barzalona)騎手が騎乗したロストインザモーメント(6歳、父デインヒルダンサー)は、2013年プリティポリーS(G1)勝馬アンビヴァレント(Ambivalent)を打ち負かし、2013年ベルリン大賞(G1)勝馬ニンフェア(Nymphea)はアンビヴァレントの鼻差で3着となった。
なお、昨年のボスフォラスカップ勝馬ミティコ(Mitico)は、11頭立ての最下位に終わった。
ロストインザモーメントの芝2400mの勝ちタイムは2分28秒87で、初の重賞勝利となった。
ビン・スルール調教師はゴドルフィンのウェブサイトで、「ロストインザモーメントは素晴らしいレース運びでこのレースを制しました」と語った。
そして次のように続けた。「後方に位置しましたが最後は抜け出しました。3200mのほうが本領を発揮するかもしれませんが、2400mも適正距離です」。
「6歳ですがまだ伸びる余地があるようです。まだ今後の予定は決まっていませんが、英国に帰国し、この勝利からどのような能力を引き出せるか考えます」。
同馬は6月29日のニューマーケット競馬場のフレッドアーチャーSに勝ち、8月2日のグッドウッド競馬場のグロリアスS(G3)でフォーゴトゥンボイス(Forgotten Voice)の僅差の2着となり、また8月17日のニューベリ競馬場のジェフリーフリアーS(G2)でロイヤルエンパイア(Royal Empire)とレッドカドー(Red Cadeaux)に続く3着となっていた。通算28戦6勝で2着6回、3着4回。
アイルランド産で母はストリートカー(Streetcar 父インザウィングス)、米国G1を制した牝馬ルアスライン(Luas Line)の3/4兄弟にあたる。
一方9月7日の目玉となる国際競走イスタンブールトロフィー(G3 芝1600m 牝馬限定)は、フランス調教馬ベアトリス(Beatrice)が制した。
ベアトリス(4歳 父ドクターフォング)は、アンリ-アレックス・パンタール(Henri-Alex Pantall)調教師に管理され、昨年の同競走3着馬のアルサーディ(Arsaadi ウィリアム・ハッガス(William Haggas)厩舎)を1/2馬身差で破った。
ファブリス・ヴロン(Fabrice Veron)騎手騎乗で勝ちタイムは1分36秒26で、5月のドイツのシュヴァルツゴルトレネン(G3)に続き、今年重賞2勝目となった。
馬主はアレクサンドル・ペレイラ(Alexandre Pereira)氏。チェコ共和国のステークス勝馬ブランガーヌ(Brangane 父アニタズプリンス)を母とし、ドイツG2勝馬ベルコア(Belcore)を半姉とする英国産馬である。
By Myra Lewyn
[bloodhorse.com 2013年「Europeans Rule Turkey's International Races」]