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海外競馬ニュース
2013年04月11日  - No.15 - 4

2012年の北米での予後不良事故率は横ばい(アメリカ)[その他]


 ジョッキークラブは3月8日、馬故障データベース(Equine Injury Database)に基づいて、北米のサラブレッド競走における出走頭数1,000頭あたりの予後不良事故は2頭以下となり、2012年とほぼ同数に留まったと報告した。

 2009年1月1日〜2012年12月31日までの4年間の間に集められた延べ153万2,418頭の出走馬の分析に基づくと、出走頭数1,000頭あたりの予後不良事故は1.92頭であった。各年の予後不良事故は、出走頭数1,000頭あたり2009年は2.00頭、2010年は1.88頭、2011年は1.88頭、2012年は1.92頭であった。

 更新された北米のサラブレッド競馬における予後不良事故率には、北米の競走中の故障のデータベースである馬故障データベースが集めた4年間のデータが含まれている。ジョッキークラブの職員は、利用可能となった情報は多くの研究や比較に有効になるはずであると語った。

 グラスゴー大学の獣医師で伝染病学者ティム・パーキン(Tim Parkin)博士は、馬故障データベースの顧問を務め、分析を行っており、次のように語った。「予後不良事故の原因はしばしば非常に複雑で、長い時間をかけて相互に作用する複数の要因が関係しています。予後不良事故率には過去4年間ほとんど動きがありませんが、データベースに延べ150万頭の出走頭数の記録を得ることで、私たちは今や基準を確立することができ、それぞれの要因の関係の分析に着手することができます」。

 「私たちは将来、これらのデータを基にして改善計画を策定し、故障と予後不良事故を減少させる措置を勧告することになるでしょう」。

 このデータベースには、レースの72時間以内に予後不良となった故障しか含まれていない。注目すべきは、参加競馬場の増加や参加競馬場によって当初提出された予後不良事故データの修正のおかげで、ここ数年の統計が随時更新されていることです。

 統計をジョッキークラブを通じて公表しているかどうかに拘らず、データを提出したすべての競馬場がこのデータベース含まれている。


パーキン博士による分析結果は以下の通りである。

■人工馬場での予後不良事故のリスクは減少しつつある。

■人工馬場での予後不良事故のリスクは、芝馬場での予後不良事故のリスクよりも大幅に低く、また芝馬場でのリスクはダート馬場より大幅に低い。

■牝馬は牝馬相手でも牡馬相手でもレースにおける予後不良事故のリスクは同じであった。

■2歳馬のダート競走では、古馬に比べて予後不良事故のリスクが大幅に減少した。

■芝で競走していた馬をダートや人工馬場に変更させても、予後不良事故のリスクは高まらない。

  

馬故障データベース統計(毎年1月1日〜12月31日)
  2009 2010 2011 2012
出走頭数 予後不良事故数/
1000頭
出走頭数 予後不良事故数/
1000頭
出走頭数 予後不良事故数/
1000頭
出走頭数 予後不良事故数/
1000頭


2歳 34,228 1.40頭 30,830 1.49頭 30,035 1.20頭 27,316 1.39頭
3歳 119,588 1.97頭 118,875 1.79頭 113,039 1.98頭 108,545 1.85頭
4歳以上 242,081 2.09頭 237,966 1.97頭 236,211 1.92頭 233,704 2.01頭


45,456 1.94頭 50,701 1.60頭 50,054 1.54頭 53,991 1.74頭
ダート 293,306 2.10頭 286,584 2.04頭 283,531 2.07頭 271,851 2.10頭
人工 57,135 1.49頭 50,386 1.21頭 45,700 1.09頭 43,723 1.03頭


<1200m 93,542 2.12頭 94,642 2.24頭 93,872 2.16頭 88,536 2.35頭
1200〜1600m 225,902 1.95頭 217,885 1.79頭 215,327 1.76頭 214,525 1.78頭
>1600m 76,453 1.98頭 75,324 1.67頭 70,086 1.85頭 66,504 1.80頭 

 
By Frank Angst

[The Blood-Horse 2013年3月16日「Racing Facilities Fairly Static, But Information Emerges」]


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