ジョッキークラブ、初めて女性理事を任命(イギリス)[その他]
ジョッキークラブは、シティー街のヘッドハンターであるジュリア・バッド(Julia Budd)氏を261年の歴史で初めて女性の理事に任命した。
バッド氏の任命は12月12日のジョッキークラブ年次総会において承認され、また、前ニューマーケット競馬場場長のリサ・ハンコック(Lisa Hancock)氏を含む3人が新会員として承認された。
バッド氏は、理事として3期を満了して辞任するマイケル・ヘンリケス氏の後任となり、ヘンリケス氏の副会長としての地位はイアン・グッド(Sir Ian Good)氏によって引き継がれる。
バッド氏が理事として任命されたのは、ジョッキークラブに初めて女性会員が生まれた34年後のことであり、バッド氏自身がジョッキークラブの会員となってから3年後のことであった。
53歳のバッド氏は、エプソム、ケンプトンおよびウィンザーの各競馬場で理事を歴任し、現在はサンダウン競馬場の理事を務めている。同氏は、ジョッキークラブが競馬場14場、ナショナルスタッド(National Stud)、ニューマーケットとランボーンの調教施設を含む競馬資産を運営する商業団体として生まれ変わったときにその理事となった。
バッド氏は2008年12月にジョッキークラブのメンバーに選出されてから、競馬界および生産界のトレーニング資格付与機関である英国競馬教育規範トラスト(British Horseracing Education and Standards Trust)の理事を務めてきた。
ジョッキークラブ会長のニコラス・リグレー(Nicholas Wrigley)氏は、「バッド氏はジョッキークラブと英国競馬界に多大なる貢献をしましたので、彼女が理事となることに同意してくれて喜んでいます」と語った。
バッド氏は、「ジョッキークラブの理事となり、競馬界で極めて重要な役割を果たしその成功を導く機関の一部となれたことは、大変光栄です」と述べた。
バッド氏は競馬場の運営に積極的に取り組むと同時に、ハイクレアサラブレッド社(Highclere Thoroughbreds)を通じて、ウィリアム・ハッガス(William Haggas)調教師、マイケル・ベル(Michael Bell)調教師、アンドリュー・ボールディング(Andrew Balding)調教師およびリチャード・ハノン(Richard Hannon)調教師が管理する馬を共同馬主として所有している。同氏はまた、サーローサラブレッド社(Thurloe Thoroughbreds)を通じてフィリップ・ホッブス(Philip Hobbs)調教師とアラン・キング(Alan King)調教師が管理する馬を共同所有し、また将来有望な障害馬をサイモン・シャーウッド(Simon Sherwood)氏とともに所有している。
バッド氏の本業は、国際的な人材斡旋会社ザイゴズパートナーシップ(Zygos Partnership)の共同設立者である。またかつて、企業の取締役会長や社外取締役の人材斡旋を主に行うイーゴンゼンダーインターナショナル社(Egon Zehnder International)に勤務していた。
同氏はさらにジョッキークラブ会長に相当する役割を担うよう求められるかもしれない。というのはリグレー氏の会長としての4年間の任期は後半に差し掛かっており、また過去の慣例に基づけば、エドリントンウィスキーグループ(Edrington whisky group)とハミルトン競馬場の会長を務める副会長職のグッド氏が、ジョッキークラブ会長職に推されることはないからである。
2012年ジョッキークラブ理事
ニコラス・リグレー氏(会長)、イアン・グッド氏(副会長)、ジュリア・バッド氏、サンディ・ダッジョン(Sandy Dudgeon)氏、ニコラス・ジョーンズ(Nicholas Jones)氏、アンドリュー・メリアム(Andrew Merriam)氏、ロクスバーグ公爵(Duke of Roxburghe)
> > ジョッキークラブの会員:個人会員152名(うち22名が名誉会員)
By Howard Wright
[Racing Post 2011年12月13日「Jockey Club names Budd as first female steward」]