主要競馬団体、馬ヘルペスウィルスの発生拡大の恐怖を鎮静化(イギリス)[獣医・診療]
主要競馬団体は、先週発覚したデヴォン北部のヴィクター・ダートナル(Victor Dartnall)厩舎での馬ヘルペス発生の後、英国南西部の馬コミュニティーに広がった恐怖の鎮静化に乗り出した。
馬の中枢神経系の組織を襲うこの疾病の発生拡大は確認されていないものの、他にいくつかの発生例があったとの噂が広まり、ハンティングや馬関連の活動が中止となった。
これらの噂が広まったため、BHA(英国競馬統轄機構)、調教師全国連合会(National Trainers Federation: NTF)、馬主協会(Racehorse Owners Association: ROA)はすぐに状況を説明する報道発表を行った。
この声明は次のように述べている。「南西部のある厩舎で最近発生した馬ヘルペスウィルス(EHV-1)は、噂に反して今までよく封じ込められています。ダートナル調教師とその獣医師チームが即座に診断結果を出し、競馬施行規程に従い報告義務を果たしたこと、そしてさらなる感染を最小限にとどめるために生物学的封じ込めの手順を踏んだことを賞賛します」。
「競馬施行規程に基づくBHAへの報告あるいは競馬界や他の競馬コミュニティーからアニマル・ヘルス・トラスト(Animal Health Trust)への報告において、他の地区での発生拡大は今のところないことを強調しておきます」。
声明は、さらなる発生報告がなされていないためダートナル厩舎で発生した馬ヘルペスの感染拡大は起きないだろうと述べた。
獣医師が馬ヘルペスの終息宣言を行うまで馬を出走することができないダートナル調教師は、昨夜次のように語った。「馬ヘルペスの発生拡大がなかったことと鼻腔用綿棒検査をすべてパスしたことを報告できることに満足しています。私たちの厩舎の馬の25%が感染したようですが、他の75%は何とか元気な状態に保てました」。
そして、「馬は来週火曜日に再び検査を受け、もしすべてパスすれば、いつから馬を出走させることができるかについてBHAと話し合うつもりです。馬は元気になりつつあるので、私たちは今後について楽観視しています」と続けた。
BHA、NTFおよびROAの声明は、「残念ながら馬ヘルペスが散発的に発生することがありますが、馬ヘルペスへの意識が高まることにより、馬コミュニティー全体からより広く報告を集めることにつながっていくのかもしれません。今回はこの馬ヘルペスウィルス(EHV-1)が現時点で封じ込まれているので、競馬や他の馬関連活動を中止させる理由はありません」と付言した。
By Bill Barber
[Racing Post 2012年11月24日「Racing bosses calm fears of more equine herpes outbreaks」]