映画『戦火の馬』でスターとなった元競走馬(アメリカ)[その他]
ファインダーズキー(Finders Key)は競走馬としては成功しなかった。しかし同馬は第2の人生において、舞台で人気を博し待望の映画化が実現した『戦火の馬(War Horse)』のスターとして逸材である(米国で2011年12月25日公開、日本では2012年3月2日公開予定)。
ハリウッドの馬の演技指導者ボビー・ラヴグレン(Bobby Lovgren)氏は『シービスケット(Seabiscuit)』の撮影に出ていたファインダーズキーの類まれな才能を見出し、撮影が完了したときに同馬を購買した。ラヴグレン氏はカリフォルニア産の12歳馬である同馬の並外れた才能を信頼していたので、『戦火の馬』に出演させるために同馬を英国まで輸送した。
同氏は、カウボーイ&インディアンズ誌(Cowboys & Indians)に、「ファインダーズキーはこれまで所有した馬の中で最も優れた馬です。本当に並外れています。同馬は荒れ狂った演技に長けており、観客は同馬が怖がってパニックに陥っていると信じこむでしょう。そのような感情を表す演技をするように調教するのは大変難しいものですが、同馬はそれをもっともらしく表現し素晴らしい演技を見せています。同馬は快活で良い性格をしていますので、出演交渉もたくさんあります。同馬は自信に溢れています」と語った。
『戦火の馬』は第1次世界大戦中のヨーロッパを舞台に、農家の若い息子とその馬ジョーイの絆を中心に描いている。ジョーイが騎馬として売却されたことから、両者は引き離されたが、若者は馬と再会することを固く誓う。
ファインダーズキーは、『シービスケット』で配役として抜擢される前は2002年の3歳時ロスアラミトス競馬場の2,500ドル(約20万円)のクレーミング競走に3回出走し着外であった。同馬は、第1回BCクラシック(G1)の勝馬ワイルドアゲイン(Wild Again)の調教師として有名なヴィンセント・ティムフォニー(Vincent Timphony)氏とその妻スカーレットを馬主とし、アーサー・カーリー・オーティズ(Arthur Curly Ortiz)調教師に管理されていた。父は、リンゼイズロベルト(Lindsey’s Roberto 父:ロベルト)、母はスルーザキーホール(Thru the Keyhole 父:G1馬キートゥーザミント)で、カリフォルニア州のジェームズ・J・リンゼイ(James J. Lindsey)氏により生産された。
By Liane Crossley
(1ドル=約80円)
[Thoroughbred Times 2011年12月17日「Ex-racehorse stars in War Horse」]