TOPページ > 海外競馬ニュース > チェスター競馬場、2014年からの障害競走施行を検討(イギリス)[開催・運営]
海外競馬ニュース
2012年10月25日  - No.44 - 2

チェスター競馬場、2014年からの障害競走施行を検討(イギリス)[開催・運営]


 ほぼ円形の形状で直線が少なく、小回りの馬場で有名なチェスター競馬場は、夏場に障害競走を開催する可能性を模索している。

 10月1日には、チェスター競馬場の馬場に障害競走のスクーリングセッションのためのハードルが並べられ、そのための馬はグランドナショナル優勝の経験があるドナルド・マケイン(Donald McCain)調教師によって提供される。同競馬場は、メインとなる5月開催において、約1マイル73ヤード(約1675m)のトップクラスの平地競走を施行することで有名である。

 イルドレ(Ile De Re)とオーバーターン(Overturn)で今年と昨年のチェスターカップ制しているマケイン調教師は、チェスター競馬場の障害競走試行のために8頭まで提供するだろう。2013年の競馬開催日程が今週明らかになるが、英国最古のチェスター競馬場が障害競走を施行する可能性があるのは、早くて2014年である。

 馬場取締委員であるアンドリュー・モリス(Andrew Morris)氏は9月24日に次のように語った。「私たちは、現行の競馬施行を改善・刷新しさまざまな方法を検討し続けているのです」。

 「我々の競馬場では大昔に障害競走が開催されていたと思います。障害競走施行は私たちが検討してきたものであり、今まさにそれが実行可能であるかどうか決定しようとしています」。

 「まだ検討の初期段階であり、将来の計画は設定していません。10月1日の目的は、障害競走を試行し、その試行に参加した人々の反応を見ることです」。

 モリス氏は次のように付け足した。「私たちは実行していることを逐一BHA(英国競馬統轄機構)に報告していますが、現在のところ、この試行は可能性を模索する段階にすぎません」。

 「これは私たちが将来のために検討しているいくつかの構想の中の1つです。私たちの競馬開催シーズンは9月27日に閉幕するので、冬に向けて馬場の状態をうまくキープする必要があり、シーズンが閉幕後できるだけ早く試行を実行しなければなりません。」。

 競馬場から10マイル(約16 km)離れたチャムレーで調教活動を行っているマケイン調教師は、6〜8頭の馬をチェスター競馬場に送ることを計画しており、厩舎の近くで自身が管理する障害馬を走らせる可能性があることを歓迎している。

 そして、「チェスター競馬場のカーブを障害馬が走るのを見るのは素晴らしいことです。私はチェスター競馬場とバンガー競馬場を気に入っており、お役に立てることは何でもしたいと常に考えています」と語った。

 BHAのスポークスマンであるロビン・マンセー(Robin Mounsey)氏は、「チェスター競馬場はBHAに、将来いつか障害競走を少数回開催する可能性を探りたいと申し入れてきました」と語った。

 そして次のように続けた。「このことが真剣に考慮されるためには、BHAが納得するいくつかの基準が満たされる必要があります」。

 「まず第1段階として、BHAはホースマンの反応を見るために10月1日のスクーリングセッションに立ち合うことになります」。

 モリス氏は、障害競走の開催にゴーサインが出された場合、チェスター競馬場の既存の競馬番組に組み込む方法や、追加開催日程承認を決定するのは時期尚早であると主張した。

 そして次のように付け足した。「話し合われるべきことが非常に多くありますが、一つ言えることは、障害競走を行うことになっても冬季での開催は考えないだろうということです」。

 公式記録によれば、チェスター競馬場は英国で今も競馬が施行されている競馬場のうち、最古であり、その始まりは16世紀前半にまで遡る。1周1マイルの円形に近い競馬場は、その平地競走開催にいつも多くの群衆を惹きつけてきており、バンガー競馬場の運営も行っている先進的な考えを持つ経営陣は、トート社に代わって場内で独自の賭事サービスを提供するなど伝統と決別する意欲をすでに示している。

 チェスター競馬場は、今年末に閉場予定であるヘレフォード競馬場の潜在的な買収者とみられてもいる。

By Graham Green

(関連記事)海外競馬ニュース 2012年No.22「バンガー競馬場とチェスター競馬場、独自の賭事提供を開始(イギリス)」

[Racing Post 2012年9月25日「Chester in trial to stage jump racing」]


上に戻る