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海外競馬ニュース
2012年07月26日  - No.31 - 2

ウッドバイン競馬場、スロットマシン収入が得られず閉場の可能性(カナダ)[開催・運営]


 総賞金100万ドル(約8,000万円)のクイーンズプレート競走施行日の数日前、ウッドバイン競馬場の理事長兼CEOのニック・イーヴス(Nick Eaves)氏は、同競馬場が来年4月には閉場を余儀なくされるかもしれないと述べた。

 同競馬場が2013年の競馬シーズンで閉場することになれば、北米で最古の歴史を持つクイーンズプレートは絶えてしまうことになる。

 イーヴス氏は枠順抽選の間に行われた記者会見において、「2013年4月1日を過ぎても運営モデルが無ければ、競馬場を運営する手段は見つかりません。競馬を運営しないことになれば、来年6月21日のクイーンズプレートは開催されないでしょう」と語った。

 ウッドバイン競馬場は、オンタリオ州政府による場内スロットマシン運営計画中止の結果、収入の50%が損なわれたと同氏は述べた。オンタリオ州政府は6月20日に2012年予算を正式に可決し、場内スロットマシン運営計画を永久に廃止し、オンタリオ・ロタリー&ゲーミング社(Ontario Lottery and Gaming Corp.: OLGC)が同州におけるゲーミングを近代化させる計画の道を開いた。

 イーヴス氏は、「競争を可能にしてきた商品ラインを失った上で自力で産業として持ちこたえることは、私たちにとって不可能なことです。レフリーも敵であるとき、私たちはどのように競争することができるのでしょうか?」と語った。

 同氏は、ウッドバイン・エンターテインメント・グループ(Woodbine Entertainment Group: WEG)が2010年に、3,200万ドル(約25億6,000万円)の運営拡大を含む場内スロットマシン運営計画の一環として、ウッドバイン競馬場にスロットマシンを設置するため資本支出に数百万ドルを投資したと語った。ウッドバイン競馬場はかねてより収益分配協定への参加に反対しており、この投資は、ただこのスペースの賃貸料を取ることを可能にするだけである。

 サラブレッド競馬はオンタリオ州の17の競馬場のうち2場で開催されているが、フォートエリー競馬場は2012年のシーズン終了後閉場を余儀なくされると発表した。同競馬場も4月末にスロットマシン運営権を失っていた。

 オンタリオ州はオンタリオの競馬産業に対して今後3年間において変わりゆく状況への対応支援となる過渡期の援助として5,000万ドル(約40億円)の出資を約束していた。また、州が過渡期においてどのように援助することができ、基金がどのように分配されるかを決定する3人の元閣僚からなる委員会を発足させていた。そして競馬産業で働く人々の参加を奨励していた。

 州が過渡期基金というアイデアを出したにも拘わらず、競馬がもはやOLGCの計画の中に存在しないのであれば、来年もウッドバイン競馬場で競馬を開催し続けることは難しいだろうとイーヴィス氏は語った。

 同氏は、「WEGは、州政府が州の全体的なゲーミング戦略の中に競馬が含まれることに期待しています」と語った。

By Alex Campbell
(1ドル=約80円)

[The Blood-Horse 2012年6月30日「Woodbine Could Close without Slots Revenue」]


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