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海外競馬ニュース
2012年06月07日  - No.24 - 1

今年一杯オリンピック関連の馬名の登録は禁止(イギリス)[その他]


 地球上最大のショーであるオリンピックのカウントダウンは今着実に進行中であるが、今年の2歳馬名を見れば、オリンピックが馬名創作のヒントには使われていないことが分かるだろう。

 サッカーのワールドカップなど大規模なスポーツイベントは通常サラブレッドの命名に多くのひらめきを与えるが、著作権や特別法に支えられ、主催者が課す多くの規制によりロンドンオリンピック関連はその例外となるだろう。

 スター選手の名前は本人が合意するのであれば競走馬に名付けることができ、またウサインコルト(Usain Colt ジャマイカの陸上競技短距離選手ウサイン・ボルトをもじった名前)のような巧妙な変形名称も使用することができるが、“オリンピック(Olympic)”や“オリンピアード(Olympiad)”および “オリンピアン(Olympian)”のような言葉やその複数形、“オリンピックス(Olympix)”のような同音語はすべて使用禁止となる。

 パラリンピックに関する公式名称、熟語、トレードマークなど馬名への使用禁止は、BHA(英国競馬統轄機構)ウェザビーズ社(Weatherbys)のほかアイルランドのターフクラブ(Turf Club)によって厳格に規制されている。

 この禁止措置は2012年ロンドンオリンピックのマスコット“ウェンロック(Wenlock)”と“マンデビル(Mandeville)”にまで広がっているが、欧州最大の運送業者の1つエディ・ストバート社(Eddie Stobart)のCEOアンドリュー・ティンクラー(Andrew Tinkler)氏は昨年11月に、現在リチャード・ハノン(Richard Hannon)調教師が管理している母がオリンピックシアター(Olympic Theatre)のコディアック(Kodiak)の産駒に“マンデビル”の名を付けることができた。

 この馬名はパートナーのアリソン・シュマッツ(Alison Schmutz)氏がつけたもので、「彼女はオリンピックに参加した選手の苗字を調べていてマンデビルという名前を見つけ気に入ったのです。今この名前を申請しても許可されないだろうなんてそのときは思いもしませんでした」とティンクラー氏は語った。

 ロンドンオリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(London Organising Committee of Olympic and Paralympic Games:LOCOG)は、「商標は最も貴重な財産であり、この夏の華やかな祭典に資金提供するため法的に保護されなければならない」と主張している。ただこの禁止は今年命名される馬に限って適用される。

 オリンピックは、これまでいつも馬主に人気のある名前であった。オリンピックという言葉で始まる馬名は、レーシングポスト紙のウェブサイトで87頭確認できる。ちなみに、ダーモット・ウェルド(Darmot Weld)調教師が管理しているオリンピアード(Olympiad)は、4月にゴーランパーク競馬場で施行された未勝利戦で敗れている。

 BHAのスポークスマンであるロビン・マウンジー(Robin Mounsey)氏は5月4日、次のように語った。「LOCOGは2012年初めに、馬名にかかわるオリンピックの商標ガイドラインを巡って生じ得る問題に関して、私たちにコンタクトを取ってきました」。

 「そして3月、LOCOG商標ガイドラインに違反するオリンピック関連の語彙および言い回しの一覧表が提出され、正式に規約化されました」。

 「それらの単語と熟語は、その後レーシングカレンダーに記載され、現時点でこれらの言葉や派生語を含む馬名を持つ馬は認められません」。

By Graham Green

[Racing Post 2012年5月5日「Olympic ruling denies owners naming rights」]


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