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海外競馬ニュース
2012年01月12日  - No.2 - 4

バンジャマン・ブータン騎手、落馬事故で死亡(フランス)[その他]


 11月26日のアルジャンタン競馬場で落馬事故に遭い脳死状態であった21歳のバンジャマン・ブータン(Benjamin Boutin)騎手の命は助からなかった。同騎手の死亡は11月28日の昼前に発表された。競馬界は悲嘆に暮れている。


 競馬界は26日以来、不運な騎手の状況に気を取られながら過ごしていた。27日にアルジャンタンの病院からアランソン医療センターに搬送され、ブータン騎手は脳死状態であると診断され、呼吸器なしでは生命を維持することができなかった。27日にはオートゥイユ競馬場で競馬が開催されたが、通常の日曜開催の賑わいは消え失せ、騎手ルームでは仲間の1人の命が失われようとしているときであり誰も勝利を祝おうという気にならなかった。

 そして奇跡は起こらなかった。28日朝にブータン騎手の心臓は停止した。競馬界は深いショックを受けた。競馬への情熱のために生命を犠牲にしたのは、若い希望のある騎手であった。ブータン騎手は、まずジョエル・レミ(Joel Remy)厩舎に入り、ディディエ・プルードン(Didier Prod’homme)調教師のもとで見習い騎手となり、その後、パスカル・バリー(Pascal Bary)厩舎やセドリック・ブータン(Cedric Boutin)厩舎との関係をつくった。

 アルジャンタン競馬場で起こったこの悲劇的な事故以前に、オワーズ県出身のブータン騎手は、2010年8月27日にドーヴィル競馬場でプロリスクス(Prorisks)に騎乗し1勝目を挙げて以来計14勝を記録した。彼の親切心意志力、生真面目さに接した誰もがこの勝利数に物足りなさを感じている。

 競馬界は、仲間の1人が本日亡くなったことに涙を流している。パリテュルフ紙は、この非常に大きな悲しみに際しブータン騎手のご遺族に哀悼の意を表するものである。

By Francis Fougeray

 

バンジャマン・ブータン騎手の逝去について

 バンジャマン・ブータン騎手の悲劇的な他界は、私たちに騎手という職業がどれだけリスクに晒されているかを突如として思い知らせました。試練に耐えていらっしゃるご遺族にお悔やみを申し上げます。

 ブータン騎手は才能あふれる騎手で、その将来は約束されていました。発走のたびにリスクを認識しながらも思い切った騎乗ぶりでその才能を発揮していました。平地競走は落馬、怪我がつきもののスポーツです。

 競馬統轄団体や競馬界のリーダーがたゆまぬ努力をしていても、残念ながらリスクがゼロになることはありません。

 しかし、人間の安全以上の優先事項はありません。どのような経済的な、あるいは技術的な挑戦も、騎手の生命や公正の保護よりも優先されることはありません。

 多くのスポーツにおいて、深刻な事故は競技の中止をもたらします。各自に逝去した人に対して敬意を表する自由が与えられ、尊敬、慎みそして遠慮は他の気持ちに勝るはずです。したがってPMUもまた26日の競馬を中断しました。

 本日11月29日はアルジェ競馬場でその日中断された競馬の開催が予定されており、PMUはバンジャマン・ブータン騎手に追悼の意を表し、また競馬が質の高いスポーツでありつづけるために日々尽力している騎手たちとの団結を表明するために、その純利益を騎手協会に提供することを決定しました。

PMU会長フィリップ・ジェルモン

  

[Paris Turf 2011年11月29日「Benjamin Boutin est decede」]


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