TOPページ > 海外競馬ニュース > ジョッキークラブ、ファン参加型オンラインゲームを開発(アメリカ)[開催・運営]
海外競馬ニュース
2012年03月22日  - No.13 - 1

ジョッキークラブ、ファン参加型オンラインゲームを開発(アメリカ)[開催・運営]


 ジョッキークラブは、新規ファンを惹きつけ競馬の啓蒙を行う取組みの一環として、近々2つのオンラインゲームを提供する。

 “メジャーリーグ・ホースレーシング(Major League Horse Racing)”という名称の無料ゲームは2月後半の発表が予定され、またソーシャルメディア上で提供される名称未定のゲームは4月初めに提供開始の予定である。

 2011年8月にニューヨーク州サラトガスプリングスにおいて開催された競馬界の諸問題を話し合うジョッキークラブの年次円卓会議において、コンサルタント会社マッキンゼー社(McKinsey & Co.)が行った勧告に返答する形でこの計画は初めて発表された。

 ジョッキークラブのビジネス開発担当の副理事長であるジェイソン・ウィルソン(Jason Wilson)氏は、「まず最初にこれらのゲームは、競馬に参加し競走馬の名前を憶えたり、賭事および競走馬所有について学んだりするための魅力的でリスクの少ない方法であるという印象を皆さんが抱くだろうと思います」と語った。

 このうちの“メジャーリーグ・ホースレーシング”は賭事の要素を含むファンタジーゲームで、三冠競走およびブリーダーズカップの出走馬をプレーヤーに紹介する。

 このゲームにおいて、プレーヤーは予め選択された各週ごとに出走予定の8頭(4頭が出走馬で、その4頭の内出走取消した場合の控えの馬)のいる厩舎を割り当てられる。そしてプレーヤーは、これらの馬を保持するか、より好走すると思われる馬と交換することができる。

 プレーヤーのポイントは週ごとに増加し、またこのゲームについてのツイートをしたりフェイスブックのいくつかのページに「いいね」を押すなどソーシャルメディア上の目標を達成することにより、追加的なポイントを獲得することができる。そしてそのポイントで自身の馬に賭けてさらにポイントを稼いだり馬のランクを上げたりすることができる。

 ウィルソン氏は、このゲームは極めてシンプルであり、先ずは初心者を対象としているが、今後エキゾチック馬券などの特色が加えられて提供されるだろうと語った。ポイントを多く稼いだプレーヤーは、週ごとおよび春と秋の競馬シーズンごとに賞が獲得できる。

 同氏は次のように続けた。「この無料ゲームには、その活用による多くのさまざまな素晴らしさがあることを実感しました。たとえばリーグプレーでは、リーグを結成する方法やそのリーグでやる内容について一般大衆を手助けしてくれるほか、有名人リーグを作ることもできます。自身が見ているテレビのパーソナリティーの参加するリーグを作ることもできれば、いくつかのさらなる勧誘の仕掛けも行えます。しかし私は、この無料ゲームは人々を単にゲームで遊ばせるというよりも人々を競馬により惹きつけるものだと思います」。

 ジョッキークラブは、メジャーリーグ・ホースレーシングのプロジェクトのためにブレンダ・スプーンモア(Brenda Spoonemore)氏の協力を求めた。スプーンモア氏はシアトル拠点の新企業アトミックモグルス(Atomic Moguls)の創立者であり、NBA(全米プロバスケット協会)の双方向サービスを指揮した。

 ウィルソン氏は、「スプーンモア氏はNBAのデジタルメディアグループに属し、巨大で多様な顧客から成るグループ全体を機能させる方法について助言してくれ非常に頼もしい存在でした。彼女は最初のNBAのファンタジーゲームの責任者であり、他のスポーツにファンタジーゲームを売り込むため、その専門知識を活用して企業を創立していました」と語った。

 もう一つのゲームであるソーシャルゲームは、フェイスブックの人気ゲームであるファームビル(Farm Ville)と同様、サラブレッド産業のうちの“育成と生産”の側面が中心となっている。

 ウィルソン氏は、競馬そのものはゲームの約15〜20%しか占めておらず、牧場と競走馬を創り管理することにより焦点を当てていると述べた。

 プレーヤーたちは馬を生産し、一緒に調教し、出走させることで互いに交流することができる。

 ソーシャルゲームの開発については、519ゲームズ社(519 Games)のCEOロイド・メルニック(Lloyd Melnik)氏が監督した。ウィルソン氏は、「メルニック氏は、今までで最も人気のあるソーシャルゲームの1つである“ガーデンズオブタイム(Gardens of Time)”の製作責任者です。同氏は歴代トップ15のソーシャルゲームの1つを作りました。同氏はゲームをいかに事業化し魅力のある体験を提供するかに非常に長けています」と付言した。

 ウィルソン氏は、ジョッキークラブはこれらのプロジェクトに短期的ではなく長期にわたる視点で取り組むつもりであると述べた。ジョッキークラブが今年の夏にマーケット調査を実施するときにはこれらのゲームはまだ初期段階にあるので、ゲームの本当の効果は2013年までは明白には測れないかもしれないと次のようにウィルソン氏は述べた。

「私たちが成果を測る方法は、“テレビ視聴率がどれだけ必要か”や“ゲーム利用者は何人必要か”ではなく、顧客の利用状況が時間の経過につれてどうなるかを見るやり方です。これは、競馬への追加的な参加を促すために取組み全体をいかに上手く組み合わせるかに関する、より総体的で包括的な考え方なのです」。

By Joe Nevills

[Thoroughbred Times 2012年2月11日「Jockey Club prepares to unveil online initiatives」]


上に戻る