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海外競馬ニュース
2011年03月03日  - No.9 - 3

BHA、カワード氏退職後もCEOの役職を維持(イギリス)[その他]


 BHA(英国競馬統轄機構)は、CEOの役割を格下げにする提案があったものの、間もなく退職する現職のCEOニック・カワード(Nic Coward)氏によって行われた競馬界の組織見直しを踏まえて、引き続きCEOが主導していくこととなるだろう。

 BHAの規制および管理に関する責務をさらに集中化させることとし、CEOに代えてCOO(最高執行責任者)に相当する役職だけを任命するという構想は除外された。

 そして、2006年10月の任命に先立って英国競馬公社(British Horseracing Board: BHB)と競馬監理機構(Horseracing Regulatory Authority: HRA)のCEO候補としてカワード氏を見い出したヘッドハンティング業者のノーランパートナーズ社(Nolan Partners)が、CEOに相応しい後継者を探し出すために再び雇われた。

 BHAのポール・ロイ(Paul Roy)会長は職員に対する書簡の中で、秋にカワード氏のポストに後任を迎えることを目指して、ここ数週間のうちに後継者探しのプロセスが開始されるだろうと述べた。

 財務・法人向けサービス担当理事であるクリス・ブランド(Chris Brand)氏は、カワード氏が3月末に去った後にCEO代行となるだろう。しかしブランド氏は永続的にその職を務めることは望んでいない、とロイ会長は明らかにした。

 ロイ会長は次のように付言した。「ブランド氏はまた、CEOの役割を後任に引き継いだ後にBHAを去るのが自分にとっての潮時であると述べています。チームの重要なメンバーとして、ブランド氏はBHAと競馬界を深く理解しており、他の役員と私は一緒に仕事をすることを楽しみにしています」。

「新しい競馬界の体制において、私たちはより一層管理および規制に重点を置くことになるのは確実であり、CEOの役割は狭まることになるでしょう」。

 ブランド氏はCEO代行の権限において、財務、法律、情報通信技術および人事を担当するだろうが、競馬産業の採用と養成は、競馬開催日運営・規制担当理事であるジェイミー・スティア(Jamie Stier)氏が受け持つこととなるだろう。

 サッカーのプレミアリーグの事務総長の職に就くために2010年12月に辞表を提出したカワード氏が追加的にまとめた勧告は現在実行されつつあり、その中には、2人のメンバーを解雇することが含まれている。

 企業計画マネージャーであるジェームズ・オールドリング(James Oldring)氏は英国チャンピオンズシリーズ(British Champions Series:BCS)の新しい促進役を引き受け、BCSのCEOであるカール・オリバー(Karl Oliver)氏とともに取り組む予定である。また販売促進マネージャーであるエイミー・シャーマン(Amy Sherman)氏は、同じ役職名のまま異動し、競馬変革プロジェクト(Racing For Change)のチームに加わる予定である。両者とも引き続きBHAのロンドンのオフィスで働くことになるだろう。

 カワード氏のあと2つの役割を埋めるために準備がなされている。ブランド氏が、競馬産業の多岐に渡る公共業務に関係し、ウィル・ランブ(Will Lambe)氏の管理下にある議会のロビー活動に責任を持つグループの議長を務める予定であり、またロイ会長が、ルース・クイン(Ruth Quinn)競走担当理事の助力を得ながら、IFHA(国際競馬統轄機関連盟)と欧州・地中海競馬連盟(European Mediterranean Horseracing Federation)の評議員の職を受け継ぐ予定である。

 ジム・マクグラス(Jim McGrath)氏の議論を呼んだ退職以来空席のままであるBHAの非常勤理事の地位を埋めるための採用活動は、ノーランパートナーズ社により行われている。

 ロイ会長、競馬場協会(Racecourse Association)のイアン・バーロー(Ian Barlow)会長およびホースメングループ(Horsemen’s Group)のポール・ディクソン(Paul Dixon)会長の3人からなる任命委員会は、3月に望ましい次期CEO候補を推せんすることが期待されている。
 

By Howard Wright

[Racing Post 2011年2月5日「BHA to stay with a chief executive」]
 


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