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海外競馬ニュース
2011年10月13日  - No.41 - 2

競馬賭事賦課公社が創立50周年を迎える(イギリス)[その他]


 競馬界からの収入がずっと減少し、賞金額は一定のままであるため、大きな誕生日ケーキで大々的に祝うことはできないだろう。

 望むことのできる最高の贅沢は、せいぜいマフィンの上にキャンドルを乗せることぐらいである。そうは言うものの、競馬賭事賦課公社(Levy Board: 賦課公社)は本日創立50周年を迎え、最も長期間会長を務めた人物は賦課公社が今後も年を重ねていくと確信している。

 賦課公社が競馬賭事賦課金法案の条項の下で設立されたのは1961年9月1日で、同日には今は存在しないトートボード(Tote Board)が設立した。賦課公社の目標はそれ以降から現在にいたるまで、賭事業者の競馬ビジネスから得られる法定賦課金を徴収することである。そのプロセスは今、これ以上はないくらい難しいことのように見受けられる。

 第50回賦課金計画は7,370万〜8,080万ポンド(約95億8,100万〜105億400万円)で決定され、政府の決断にのみ基づいて完結した。政府は以前から賦課金計画の決定に介入しなければならないことにいら立ちを感じていた。

 従って競馬界と賭事産業は、賦課公社に変わる選択肢を考え出すように促されたが、解決策を得るにはまだ時間が掛かるようである。また、賦課公社の会長を11年間務めたロブ・ヒューズ(Rob Hughes)氏は、賦課公社は当面存続し、別の機関が設立されることはないだろうと考えている。

 ヒューズ氏は次のように語った。「賦課公社は十分に愛されてはいないが、相続問題が発生したときだけ尊敬をもって扱われる未婚の叔母のようなものです」。

「賦課公社を廃止することは人々が実感しているよりもずっと難しいことでしょうし、私は賦課公社が、人々が考えているよりも元気に長生きすることを望んでいます」。

「賭事業者と競馬界の間には決して契約による取引が成立することないでしょう。賭事業者と競馬場のような競馬界の一部との間の契約はあるかもしれませんが、どのような契約もある期間だけのものであり、その期間が終了すればその後どうなりますか?」

 競馬界は政府に対して、賭事業者と競馬場の間の免許制を通じて財産権を行使する商業契約を提案していた。一方賭事業者は1,125日の中心的な競馬開催日を基に競馬場と商業交渉を進めてきた。両者は何につけても意思疎通に欠ける面があるため、こうしたことが今まで賦課公社が非常に重要であり続けていた理由である。

 ヒューズ氏は次のように付け足した。「賦課公社はその存在が無くなってからしか評価されない種類の団体の1つです。私は賦課公社の会長でいたことをとことん楽しみましたし、おそらく “興味深い時を過ごす”という中国のことわざの意味を学びました」。
 

競馬賭事賦課公社の歴代会長
ハーディング卿(Lord Harding) 1961−67年
ウィグ卿(Lord Wigg) 1967−72年
スタンリー・レイモンド(Sir Stanley Raymond) 1972−74年
プラマー卿(LordPlummer) 1974−82年
イアン・トリソワン(Sir Ian Trethowan) 1982−90年
ジョン・スパロウ(Sir John Sparrow) 1991−98年
ロブ・ヒューズ(Rob Hughes) 1998−2009年
ポール・リー(Paul Lee) 2009− 

 
By Lee Mottershead
(1ポンド=約130円)

[Racing Post 2011年9月1日「‘Maiden aunt’ Levy Board reaches 50th anniversary」]


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