BHA、人材養成関連費用削減をめぐり競馬賭事賦課公社に陳情する構え(イギリス)[開催・運営]
BHA(英国競馬統轄機構)の福祉・人材養成部会は、計画されている2012年における13%の予算削減を巡り競馬賭事賦課公社(Levy Board: 賦課公社)に陳情する構えである。
レーシングポスト紙で8月上旬に明らかになったように、賦課公社は2012年の支出の13%にあたる780万ポンド(約10億9,200万円)を削減する。支出項目のうちには無傷のものもあった一方で、競馬の人材養成への資金援助は90万ポンド(約1億2,600万円)から80万ポンド(約1億1,200万円)へ、11.1%減少することになる。
英国競馬学校(British Racing School)、北部競馬学校(Northern Racing College)およびナショナルスタッド(National Stud)がBHAの監督のもとで行われている競馬人材養成への財政支援は、60万ポンド(約8,400万円)から13%削減されて52万2,000ポンド(約7,308万円)となった。
BHAの競馬人材採用・訓練担当部長であるサラ・ヘイ-ジャハンズ(Sara Hay-Jahans)氏は次のように語った。「私たちへの補助金の削減が行われるのはこれまでの長い歴史の中で3回目であり、英国競馬学校と北部競馬学校が資金援助の大部分を頼っている政府の財政が危機にさらされている時期に行われるのです」。
「今年の研修プログラムの資金調達を支援するために、資格付与機関である英国競馬教育・標準トラスト(British Horseracing Education and Standards Trust: BHEST)は、準備金からかなりの支出を行わなければなりませんでしたが、この準備金は長期的には持ちこたえられません」。
すべての分野において節約がなされたが、その中にはBHESTの管理費、“競馬キャリアプロジェクト”を通じた一括人材採用費、そして基礎見習いプログラムに基づく学生への補助金が含まれる。
ヘイ-ジャハンズ氏は次のように語った。「競馬界に入ろうとする学生が不足することによる財政へのリスクは政府との結び付きとともに非常な重要な点です。英国競馬学校と北部競馬学校は来年、技術助成局(Skills Funding Agency)を通じた資金の削減も見込まれています」。
「人材養成費はすでに支給の下限水準にあり、私たちが賦課公社に考え方を変えるように説得することができなければ、研修の提供者たちは騎手育成の改善や現在の鞭使用の見直しの結論を実施できなくなるだけでしょう」。
By Howard Wright
(1ポンド=約140円)
[Racing Post 2011年8月10日「BHA to lobby against cuts to training」]