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海外競馬ニュース
2011年06月30日  - No.26 - 4

BHA、デットーリ騎手に対し騎乗辞退についての説明を求める(イギリス)[開催・運営]


 フランキー・デットーリ(Frankie Dettori)騎手は、5月13日にニューベリ競馬場においてレースの賞金額がホースメングループ(Horsemen’s Group)が求めている最低賞金額を下回っていたことを理由に騎乗を辞退したことについて、BHA(英国競馬統轄機構)から説明を求められている。

 デットーリ騎手が、ロバート・ミルズ(Robert Mills)調教師が管理するダイヤモンドビジョン(Diamond Vision)への騎乗を辞退したことについて、検量委員とメディア関係者に対して異なる理由を述べたため同騎手の説明を求めている、と5月18日夜BHAは述べた。

 同騎手は5月13日レーシングポスト紙に対して、自身の雇用主であるゴドルフィン社と同様にシーズン開始時からホースマンが求めている最低賞金額表を支持すると誓約してきており、問題のハンデキャップ競走が最低賞金額を1,000ポンド(約14万円)下回ることにレース当日になって初めて気付き、ダイヤモンドビジョンへの騎乗を辞退したと話していた。

 BHAから連絡はないと語るデットーリ騎手は、5月18日夜の時点で自身の行動を反省している様子はなく、「私は覚悟ができており、これについて取調べや過怠金があれば、甘んじて受けとめます。そもそも騎乗を引き受けたのが誤りでした。最低賞金額表への支持を表明した以上、その考えを貫き通します」と述べた。

 デットーリ騎手が5月13日に裁決委員からの制裁を免れたのと同様に、管理馬のオーナーが最低賞金額表の支持を表明していたため条件競走に出走予定であった2頭を出走取消としたミック・シャノン(Mick Channon)調教師も制裁を免れていた。

 BHAは、最低賞金額を騎乗辞退の理由とすることは納得のいく説明ではなく、賭事客や競馬ファンは出走馬や騎乗騎手が確定した後、土壇場で変更が発表されると勝馬予想がしにくくなると述べた。

 BHAのスポークスマンであるポール・ストラザース(Paul Struthers)氏は、「検量委員および裁決委員は、騎手変更について、メディアに語られた理由とはまったく異なる理由を聞かされていました」と述べた。

 そして次のように続けた。「最低賞金額は騎手変更についての納得のいく理由とはならないので、私たちはこれを詳しく調査します」。

「現在のところ、自己申告の出走取消の場合はいかなる理由も認められるとルールに記されています。しかし一旦出馬投票されればレースの賞金が最低賞金額を満たしていないことは馬の出走を取り消す理由とはならないと考えているので、こうした事態が起こることは残念です。従って、私たちはこの問題について検討していくつもりです」。

「馬主、調教師および騎手は当然どのレースに参加するかを決定する権利はありますが、一旦出馬投票がなされたにも拘らず最低賞金額未満を理由に出走が取り消され、競馬ファンや賭事客が我慢を強いられるというのは間違っていると考えます」。

By Jon Lees
(1ポンド=約140円)

(関連記事)海外競馬ニュース 2011年No.18「マクトゥーム一族、最低賞金額に達しないレースを回避(イギリス)」、No.23「ゴスデン調教師、最低賞金額に満たないレースへの出走決定について弁解(イギリス)」

[Racing Post 2011年5月19日「BHA to question Dettori on tariff stand」]
 


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