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海外競馬ニュース
2011年06月30日  - No.26 - 2

学生がデザインした21世紀の勝負服を試用(イギリス)[その他]


 勝負服のデザインは出走馬を区別する目的で初めて導入された1762年以来ほとんど変わらなかったが、7月のアスコット開催で、まず1回限りの試行ではあるがすべてががらりと変わることになっている。

 騎手の衣装を21世紀にふさわしいものにする試みとして、競馬変革プロジェクト(Racing For Change: RFC)は、ロンドンのセントラル・セント・マーチンズ・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザイン(Central St Martin’s College of Art and Design)の学生に対して、競馬をアピールするために想像力に任せて画期的で斬新な勝負服を考え出すよう依頼した。

 グラフィックデザイン科の3回生ヘンリー・グリフィン(Henry Griffin)氏に任されることになれば、約250年間にわたり勝負服を区別してきた輪、縞および円形はなくなり、未来の騎手はスロットマシンのモチーフであるオレンジ、レモンおよびチェリー、あるいはラッキー7や幸運の蹄鉄に着想を得た勝負服を着るのかもしれない。

 エセックス州ロートン出身のグリフィン氏は最終選考に残った13名の候補者リストの中から選出されたが、7月9日のアスコット開催のオープニングレースにおいては、同氏がスロットマシンのモチーフをもとにデザインした勝負服を出走馬12頭が背にすることになる。

 学生たちがデザインしたすべての勝負服は、5月19日と20日に大学で展示される。入場料は無料である。

 グリフィン氏は、自身の勝負服のデザインは、父親のペリーと一緒にロートンのブックメーカーに行ったときの体験から着想を得たと述べている。

 同氏は次にように述べた。「私は14歳でベッティングショップに入れませんでしたが、いつも入口のドアから覗き込んでいたことを思い出します。テレビでレースが放映されており、部屋の隅にはスロットマシンがあったと思います」。

「私の頭の中では競馬賭事とスロットマシンは一体のもので、その繋がりがひらめきました」。

「自分のデザインした勝負服が7月のアスコット開催で着用されることが決まったことは光栄で、嬉しく思います。服色は鮮やかで観衆が簡単に識別できなければならないので、勝負服につけられるフルーツとシンボルができる限り目立つようにしました」。

「遠くから騎手を見分けるのに非常に重要であるので、帽子のデザインにはかなりの時間を掛けました」。

 RFCを推進しているレーシングエンタープライズ社(Racing Enterprises Ltd.)のCEOロッド・ストリート(Rod Street)氏は、「審査の開始のときから私たちの目はグリフィン氏のデザインに釘付けになりました。だからといって、この審査は決して簡単なものであったというわけではありません」。

「学生たちが提出したデザインはそれぞれ個性的で目立つものであり、私たちは数週間を掛けてそれらの作品に熱心に目を通しました。彼らは今回セントラル・セント・マーチンズ・カレッジの評判を本当に高めました」。

 アスコットで施行されるオープニングレースでは、12人の騎手が馬主の勝負服ではなくグリフィン氏がデザインした勝負服を着ることになるだろう。

 この取組みは一回限りであるが、RFCは5月18日、新しいデザインの評判が良ければこの服色を英国競馬の服色デザインとして永続的に組み入れるかどうか考慮することになるだろうと語った。

By Graham Green

[Racing Post 2011年5月19日「REC Ascot trial sees silks move into the 21st century-with a cherry on top」]
 


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