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海外競馬ニュース
2011年03月31日  - No.13 - 5

タンパベイダウンズ競馬場の湖で泳いだ馬、無事に快復(アメリカ)[開催・運営]


 4歳のせん馬シッピングニュース(Shipping News)はタンパベイダウンズ競馬場において、発走ゲートからスタートし最終的には内馬場の湖で泳ぐという驚くべき旅をした翌日の2月18日、同競馬場の歴史において最も奇妙な冒険による消耗にも拘わらず、傷ついてアザがあるもののいつもと変わらずに馬房の中でゆったりと休んでいた。

 シッピングニュースの波乱万丈の午後は、2月17日第7レースの8頭立ての未勝利戦(芝2,200m)において発走ゲートに入ってスタートした。この競走がキャリア7戦目のシッピングニュースはレースの早い段階で御しにくくなり、ますますかかり、ついにはカルロス・モタルボ(Carlos Motalvo)騎手が手綱を引っ張って競走中止した。

 シッピングニュースは止まった後すぐに熱中症でよろめき、芝の上に倒れた。同馬の熱を冷ますために大量の水が掛けられ、獣医師のロバート・カリー(Robert Calley)氏とホリー・シャイン(Holly Shine)氏が治療を行った。

 カリー氏は、「私たちはシッピングニュースの血圧を上げ続けるために注射でステロイドを投与するとともに、落ち着かせるためにジアゼパム(diazepam)を投与しました」と語った。

 薬物の投与と水がシッピングニュースを快復させたらしく、同馬はこのあと立ち上がり、少しばかりふらふらしていたものの元気になった。

 その後、物事は奇妙に展開した。頭絡が外されたシッピングニュースは、厩務員が制御することが難しくなりその手をふりほどいて逃げ出し、内柵を壊して内馬場に突進していった。同馬はその後、ぐるぐる回って、芝コースに戻るためにまた内柵に突進して壊した。

 同馬はその後また方向転換し、またもや内柵を破壊し、内馬場の湖まで歩き水の中に入っていった。

 同馬は、見ていた者が成り行きを思案している間おとなしく胸の高さまでしばらく水に浸かって立っていた。最後は、作業員たちが下着姿になり、その地点では6フィートあまり深さのあった湖に入った。彼らは頭絡をシッピングニュースのハミに結び、同馬を湖の外に誘導した。同馬はその後馬用の救急車に乗せられ、同馬を管理するロイ・ラーマン(Roy Lerman)調教師の厩舎まで連れて行かれた。そこで同馬は前肢と後肢の1本ずつに負った傷の治療を受けた。湖で付いた浮きかすを傷から取り除いた後、同馬には抗生物質が与えられた。

 ラーマン調教師は2月18日朝に、「シッピングニュースは今日は元気です。彼の耳はピンと立っており、警戒した様子もありますが幸せそうです。もし切り傷がなければ、彼に何が起こったか分からないでしょう」と語った。

By Doug McCoy

[Daily Racing Form 2011年2月20日「Tampa horse okay after lake swim」]
 


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