TOPページ > 海外競馬ニュース > NY市場外馬券発売公社の閉鎖に対する NY州競馬賭事委員会の措置(アメリカ)[開催・運営]
海外競馬ニュース
2011年01月06日  - No.1 - 2

NY市場外馬券発売公社の閉鎖に対する NY州競馬賭事委員会の措置(アメリカ)[開催・運営]


 ニューヨーク市場外馬券発売公社(New York City Off Track Betting: NYCOTB)からの馬券収入を維持することに必死のニューヨーク州競馬賭事委員会(New York State Racing and Wagering Board: NYSRWB)は、NYCOTBを利用していた賭事客が、州内の他の場外馬券発売会社(OTB)によるインターネットおよび電話投票の賭事システムと簡単かつ迅速に加入契約できるようにする、新しい緊急ルールを12月8日に可決した。

 NYSRWBによる迅速な措置は、12月7日に州議会が何の対応も取らなかったことを受けて、NYCOTBの閉鎖の後すぐにとられた。

 今回の措置によって、賭事客は他のOTBで馬券を購入するための登録をほとんど即座に行えることになる。現在はこの手続きに数日かかっている。

 NYSRWBのジョン・サビーニ(John Sabini)委員長は、通常なら9ヵ月かかる手続き改正を迅速に処理したことについて、「私たちの目標は、NYCOTBの賭事客が海外賭事業者や街角の理髪店での購入に流れるのではなく、少なくともニューヨーク州の私たちが認可を与えた公正な業者から引き続き馬券を買い、競馬賭事産業に貢献できるようにすることです」と語った。

 しかし、もし万が一NYCOTBが運営を再開することがあるならば、NYCOTBの賭事客を他のOTBに移動させることは、NYCOTBの会員制賭事(ADW)システムの価値を下げることになるだろう。サビーニ委員長は、「現在、NYSRWBが優先事項としていることは、私たちが認可を与えたすべての団体をできるかぎり維持することです。今は、1社のADWシステムの価値だけを案じることはできません」と語った。

 サビーニ委員長は、「NYCOTBの閉鎖は、競馬産業に対して、まがい物のソビエト式システムを頼りにすることをやめさせる警鐘となるでしょう。そのシステムは、州に競馬場の保護方針を取らせていました」と付け加えた。

 同委員長は、「競馬場は、他のあらゆるレジャー事業体と同様に、レジャー収入の取り分を自ら稼がなければなりません」と付言した。

 12月8日の午後、NYSRWBは、以前のNYCOTBの利用客がより迅速にADWシステムに登録できる手続きを開始するために、NYRA(ニューヨーク競馬協会)、ナッソー(Nassau)とキャットスキル(Catskill)の地域OTBおよびヨンカーズレースウェイ社(Yonkers Raceway)の4団体からの申請を認可した。

 NYSRWBは、このほか、新しく報奨金口座を開設した賭事客に2倍のポイントを与える新しい報奨金口座を発足させるNYRAの計画を承認した。また、NYCOTBの閉鎖によりニューヨーク州のパリミューチュエル賭事産業が空回りすることを見込んで、NYSRWBは、口座から賭けの資金を出し入れしようとする賭事客のクレジットカードとデビットカードをサラトガゲーミング&レースウェイ社(Saratoga Gaming and Raceway)が利用できるようにする予定である。

 一方、共和党の上院議員は12月8日、NYCOTBの再開に向けた論争を決着させるため話し合いを継続するよう主張した。

 しかし、NYCOTBの理事長であり、デヴィッド・パターソン州知事の首席補佐官であるラリー・シュウォーツ(Larry Schwartz)氏は、ニューヨークのラジオ局に対して、そのような話し合いは行われていないと述べた。同氏はNYCOTBについて、「けりをつけてしまわなければ将来は暗いものになると確信しています」と付言した。

By Tom Precious

[bloodhorse.com 2010年12月8日「NYSRWB Takes Action in Wake of OTB Shutdown」]


上に戻る