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海外競馬ニュース
2010年12月16日  - No.50 - 4

グローバルハンター、目覚しい回復力を見せ退院(アメリカ)[獣医・診療]


 7月4日にハリウッドパーク競馬場で施行されたアメリカンH(G2)で致命傷を受け、助かる見込みは1%以下とされていたグローバルハンター(Global Hunter アルゼンチン産)は、10月下旬にカリフォルニア州ロス・オリヴォスのアラモ・ピンタード馬医療センター(Alamo Pintado Equine Medical Center)から退院する予定である。

 ジェイドハンター(Jade Hunter)産駒であるグローバルハンター(7歳)は7月5日、右前肢の種子骨骨折と球節の脱臼を治療するために、3時間にもおよぶ外科手術を受けた。外科医であるカーター・ジュディー(Carter Judy)博士とダグ・ハーセル(Doug Herthel)博士は、損傷を治療し、球節を結合し、馬の繋靭帯組織を安定させるために17本のスクリュー、2本のワイヤー、特別な固定板を使用した。

 グローバルハンターの共同馬主であるショーン・ターナー(Shawn Turner)氏は同馬の回復について、「並外れた回復力です。私はハリウッドパーク競馬場からまっすぐ家に帰ったのを覚えています。グローバルハンターが助かる見込みはほんのわずかしかなく、最悪の事態を覚悟していました。しかし、彼は今ここにいます。この馬はまさにその価値があります。彼には強靭な精神力があったのです」と語った。

 ハーセル博士は、「彼の回復力は目覚しいものであり、今では非常に上手く歩いています。彼の最近の術後X線は、素晴らしい骨の回復を示しています。グローバルハンターは素晴らしい患者であり、自らの力で回復しています」と語った。

 ハーセル博士は10月19日に、同馬の脚に合う特別な蹄鉄をつけ、サンタイネズのマガリファーム(Magali Farms)の近くで生活するための準備を行ったとターナー氏は語った。新しい蹄鉄に慣れればすぐに、同馬は牧場に移されるだろう。そしてそこで、つきっきりで世話されて回復し続けるのを見守られるだろう。

 ハーセル博士は、グローバルハンターは最終的に外にも出られるようになり、2011年の繁殖シーズンには牧場で繋養されるだろうと語った。

 ターナー氏と共同馬主のモンテ・パイル(Monte Pyle)氏は、G1勝馬グリフドパリ(Griffe de Paris ブラジル産)を母とするグローバルハンターの種牡馬としての予定を最終決定していないが、2011年の繁殖シーズンの早い時期に同馬をマガリファームに繋養し、その後同馬を南米の繁殖シーズンに合わせて、アルゼンチンに送ることを熟慮しているとターナー氏は語った。

 ターナー氏は、「故障する前でさえも、私たちは、彼を生まれ故郷のアルゼンチンに送ることが、彼に最良の繁殖牝馬に出会う機会を与えるだろうといつも考えていました。アルゼンチンの3〜4の事業体から興味が示されています」と語った。

 マガリファームの総支配人であるトム・ハドソン(Tom Hudson)氏は、ファンがグローバルハンターに会うために絶えず牧場に来てくれることを望んでいる。アラモ・ピンタード馬医療センターにいる間、グローバルハンターにはお見舞いの手紙が殺到していた。

 ターナー氏は、「私はこの週末に子供たちと伝説の名馬に関する映画『セクレタリアト』を観に行きました。帰宅したときに、娘は“お父さん、セクレタリアトの話はとても面白かったけど、グローバルハンターのお話のほうがずっと良いわ”と言いました」と付言した。

 

ファンの支持

 670人以上がフェイスブックのグローバルハンターのページを“いいね!”と支持している。このページでは、複数のG1競走を制した同馬の治療経過、写真、X線が更新されており、ファンはお見舞いの言葉を書き込むことができる。以下のアドレスにアクセスされたし。http://www.facebook.com/#!/globalhunterhorse

By Demose Steffanus

[Thoroughbred Times 2010年10月30日「Global Hunter continues convalescence, set to depart clinic」]


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