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海外競馬ニュース
2010年11月18日  - No.46 - 3

大盛況だった競馬に関係する若者支援団体のためのオークション(アメリカ)[その他]


 “馬のパワー”と名づけられたイベントは、9月30日にレキシントン・カントリークラブ(Lexington Country Club)において、これ以上はないというほど素晴らしいタイミングで開催された。

 馬をモチーフとするアーティスト、アンドレ・ペーター(Andre Pater)氏の功績をたたえる夜のイベントによって、競馬に従事する家庭出身の大学生や競馬産業でキャリアを始めることに興味を持っている若者を支援する“レース・フォー・エデュケーション”(Race For Education: RFE)に募金がもたらされた。

 レキシントンのサラブレッドの馬主および生産者から寄せられる関心に加え、数マイル離れたところに位置するケンタッキーホースパーク(Kentucky Horse Park)でFEI世界馬術選手権大会(Alltech FEI World Equestrian Games)がたけなわであったことによる熱狂もあり、メインのダイニングルームの隣りの予備の部屋も使わなければならないほどの盛況であった。入札によるオークション、夕食会に続いて、チャーチルダウンズ競馬場の2010年ブリーダーズカップの開催週に無敗チャンピオン牝馬ゼニヤッタ(Zenyatta)の関係者とともに調教後の朝食を2名で楽しめる権利が、3,300ドル(約33万円)で競り落とされたオークションが催された後、夕刻の注目イベントが開始された。

 ペーター氏は、FEI世界馬術選手権大会の4部門である馬車(Driving)、ウェスタン馬術(Reining)、障害飛越(Jumping)、馬場馬術(Dressage)を行う馬のパワーをたたえる魅力的な絵画4点を寄贈した。ペーター氏のこれらの絵画はイベントを活気付けるワクワク感をもたらした。

 “馬車”と“馬場馬術”を競り落としたのはミスディ&ジェームズ・ミラー(Misdee and James Miller)夫妻であり、“ウェスタン馬術”を最高額で入札したのはグレッグ・グッドマン(Greg Goodman)氏であり、“障害飛越”を購入したのはアンディ・ジーグラー(Andy Zeigler)氏であった。

 このイベントは、RFEのために総額14万2,230ドル(約1,422万円)を集めた。

 RFEのエリザベス・ジェンセン(Elisabeth Jensen)理事長は2年前に、ペーター氏に対し、FEI世界馬術選手権大会をたたえる絵画を募金のために制作するつもりがあるかどうか尋ねた。するとペーター氏は馬術競技をたたえる絵画を4点も制作することを提案し、同理事長を驚かせた。

 ペーター氏は、「このように大規模なプロジェクトに参加できて大変光栄です。素晴らしい経験でした。これらの絵画は、私が普段制作しているものとは一味違います」と語った。

 多くの慈善活動に関わってきたペーター氏は、教育目的の取り組みは自身にとって重要な意味を持つと述べ、「若い人々を支援することは崇高な行為です」と付け足した。

 ペーター氏は、販売するための他の絵画の創作活動に充てられるはずの1ヵ月半を、これらの作品の制作のために費やした、とジェンセン理事長は述べた。

 そして、「私はペーター氏が1点でも制作してくだされば満足でしたので、4点の絵画の提供を提案してくださったときには恐縮しました」と述べた。

 また夕食会は、ウェスタン馬術で金メダルを獲得したトム・マカチエン(Tom McCutcheon)氏、馬車の選手チェスター・ウェバー(Chester Weber)氏およびタッカー・ジョンソン(Tucker Johnson)氏を含む世界馬術選手権大会の参加者の何人かと出会う機会を出席者に提供した。

 並べて掛けられた4つの絵画作品が、馬を愛する参加者たちの目を愉しませた一方、世界的に有名なポーランドのバイオリン奏者マリウスズ・パティラ(Mariusz Patyra)氏の2楽曲がソロ演奏されたことで、参加者の耳もまた奪われた。2曲とも総立ちの拍手喝采となった。

By Frank Angst
(1ドル=約100円)

[Thoroughbred Times 2010年10月9日「Benefit raises more than $142,000 for Race for Education」]


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