ブリーダーズカップ、賭事売上げ増加で不況に抵抗(アメリカ)[開催・運営]
ベッティング・エクスチェンジ賭事を含む2010年ブリーダーズカップの賭事総売上げは、ブリーダーズカップ社(Breeders’ Cup Ltd.: BCL)の発表によれば、2億ドル(約200億円)に達した。
BCLの役員たちは11月9日、パリミューチュエル方式を通じた共同および個別の賭事プールの賭事売上げは、チャーチルダウンズ競馬場における11月5日と6日の2日間の開催で1億7,333万9,131ドル(約173億3,391万円)に達したと述べた。加えて2,300万ドル(約23億円)強の金額が英国を拠点とするベットフェア社(Betfair)運営のベッティング・エクスチェンジに賭けられ、総売上げは1億9,635万4,072ドル(約196億5,407万円)であった。
BCLの賭事コンサルタントであるファルカーク・インターナショナル社(FalKirk International)のケン・カークナー(Ken Kirchner)氏は、個別の賭事プールの売上げは2009年から13%増加し約950万ドル(約9億5,000万円)となったと語った。また約15ヵ国がブリーダーズカップの数レースから全レースを放映した。
ブリーダーズカップは今年、共同賭事プール売上げの記録を更新した。11月6日にブリーダーズカップの最終レースが施行された後、BCLの役員は、2日間の共同賭事プールのパリミューチュエル賭事売上げが、2009年にサンタアニタ競馬場で2日間開催された際の売上げ1億4,459万9,205ドル(約144億5,992万円)の13%増の1億6,361万9,784ドル(約163億6,198万円)となったと述べた。
11レースが行われた11月6日(土)のパリミューチュエル賭事の総売上げは、2009年の9,615万9,747ドル(約96億1,597万円)の23%増の1億1,863万1,943ドル(約118億6,319万円)であった。10レースが行われた11月5日(金)のパリミューチュエル賭事の総売上げは、2009年の5,066万2,945ドル(約50億6,6,30万円)の8%増の5,470万7,188ドル(約54億7,072万円)であった。
BCLの役員は、14のブリーダーズカップを冠するレース全体の売上げは2009年より2,100万ドル以上多い1億5,787万8,232ドル(約157億8,782万円)であったと述べた。
この売上げ増加は、パリミューチュエル賭事における長引く経済不況の影響にも拘わらず成し遂げられた。2010年1月〜10月の米国の馬券売上げは、前年同期比で7%以上減少している。
BCLの社長兼CEOであるグレッグ・アヴィオリ(Greg Avioli)氏は、「馬券売上げ、入場者数およびテレビ視聴率の暫定的な業績は、非常に肯定的であり、それはゼニヤッタ(Zenyatta)の連勝の話題や観客にそれを伝えるBCLの手腕によるものと思われます。ゼニヤッタの話題が疑いようもなく多くの観衆を惹きつけた一方、それを販売促進し競馬全体に利益をもたらすための人材と基盤が我が社に備わっていたことを嬉しく思います」と語った。
14のブリーダーズカップ競走における1レース平均出走頭数は11.64頭であり、この数字が馬券売上げ増加に寄与した。カークナー氏は、最低発売金額が低い50セントのピック4やピック3は人気があり、売上げ増加に寄与したと語った。
金曜日には、50セントのピック4馬券の売上げは200万ドル(約2億円)となり、土曜日には300万ドル(約3億円)となった。いずれの売上げも少なくとも前年よりも50万ドル(約5,000万円)増加した。
カークナー氏は、「これはいろいろな要因が組み合わさった結果です。出走頭数が多く競走の質が高まると、人々は自信を持って手持ち資金を馬券に使うのだと思います。人々は間違いなくブリーダーズカップそのものやそこで見出される価値を楽しみにしてお金をためるのです」と付言した。
BCLは2日間で入場券を1,100万ドル(約11億円)以上売上げたと発表した。入場者数は合計で11万4,353人であり、2009年の9万6,496人よりも18.5%増加した。
By Tom LaMarra
(1ドル=約100円)
[bloodhorse.com 2010年10月9日「Breeders' Cup Bucks Trend With Handle Growth」]