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海外競馬ニュース
2010年10月21日  - No.42 - 1

優良種牡馬キングマンボ、繁殖生活から引退(アメリカ)[生産]


 長年にわたり世界的な一流種牡馬であると認識されているキングマンボ(Kingmambo)は、ウィリアム・S・ファリッシュ(William S. Farish)氏所有のケンタッキー州ヴァーサイルス近郊のレーンズエンド牧場(Lane’s End Farm)での繁殖生活から引退した。20歳のミスタープロスペクター(Mr. Prospector)産駒は、種牡馬として86頭のステークス勝馬を世に送った。同馬の産駒は9,500万ドル(約95億円)近くを収得した。

 ファリッシュ氏は、「キングマンボは、歴史上で最も偉大な種牡馬の1頭です。クラシック馬およびスプリンターやマイラーを輩出しました」と述べた。

 同氏は9月初め、キングマンボの引退が迫っていることをほのめかしていた。「彼は現在頸部に重度の問題があります。生殖能力そのものに問題があるのではなく、その活動に問題があります」とブラッドホース誌に語っていた。

 キングマンボは今年、1頭の繁殖牝馬に種付を行ったが、仔馬を得るに至らなかった。

 キングマンボは、レーンズエンド牧場でその種牡馬生活を送った。同馬はスタヴロス・ニアルコス(Stavros Niarchos)氏の所有馬として出走し、英国とフランスでG1勝馬となり、その輝かしい競走生活を終えた1994年に同牧場に入った。同馬は、マイル競走においてとりわけ傑出していた。

 キングマンボは英国において、セントジェームズパレスS(G1)に優勝し、クイーンエリザベス2世S(G1)において3着に入線した。そして英仏海峡を渡り、フランス2000ギニー(G1)、ムーランドロンシャン賞(G1)を含む3つのステークス競走で優勝した。同馬は13回出走した中で11競走において1着および2着となった。

 キングマンボは種牡馬として華々しい出世を果たした。種牡馬生活の初めには4万5,000ドル(約450万円)であった種付料は、最終シーズンにおいては30万ドル(約3,000万円)に高騰した。

 キングマンボの産駒の多くは欧州で活躍した。アルカセット(Alkaased)、ディヴァインプロポーションズ(Divine Proportions)、ロシアンリズム(Russian Rhythm)、ヴァージニアウォーターズ(Virginia Waters)、オカワンゴ(Okawango)、ルールオブロー(Rule of Law)、エルコンドルパサー(El Condor Pasa)およびヘンリーザナビゲーター(Henrythenavigator)は、欧州におけるチャンピオン馬あるいはG1勝馬である。ケンタッキーで生産されたヘンリーザナビゲーターは2008年BCクラシックに出走するために米国に戻り、同レースで2着となった。

 エルコンドルパサーは、日本の年度代表馬となった。またもう1頭の日本のキングマンボ産駒であるキングカメハメハは、日本ダービー(G1)に優勝した年に日本の最優秀3歳牡馬に選ばれた。

 北米のキングマンボ産駒では、後にエクリプス賞を受賞し、3年連続でニューヨーク州でG1勝馬となった1999年ベルモントS(G1)の勝馬レモンドロップキッド(Lemon Drop Kid)が代表的な存在である。レモンドロップキッドは、レーンズエンド牧場に繋養されている。キングマンボはまた、米国のG1馬スチューデントカウンシル(Student Council)とヴードゥーダンサー(Voodoo Dancer)を輩出している。

 フラックスマンホールディングス社(Flaxman Holdings)を生産者としケンタッキーで生まれたキングマンボは、BCマイル(G1)を2年連続で優勝した国際的なチャンピオン馬ミエスク(Miesque 父:ヌレイエフ Nureyev)を母とし、同馬が輩出した5頭のステークス勝馬のうちの1頭である。

By Blood-Horse Staff
(1ドル=約100円)

[bloodhorse.com 2010年9月28日「Standout Stallion Kingmambo Pensioned」]


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