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海外競馬ニュース
2010年10月07日  - No.40 - 5

調教師と生産者、乾草の窃盗に警戒する必要(イギリス)[その他]


 英国で最大のファーム保険会社であるNFU相互保険会社(NFU Mutual)によれば、乾草と藁は今や、銅や鉛にかわって窃盗の主なターゲットとなっている。同社は競走馬の調教師と生産者に対し、乾草や藁の保管に特別の注意を払い、素性のわからない筋からの購入には用心するよう警告を発している。

 NFU相互保険会社のスポークスマンであるティム・プライス(Tim Price)氏は8月25日、「2010年の春は乾燥した気候でしたので、それが乾草の不足をもたらし、乾草の値段が高騰して窃盗の頻発につながりました」と語った。

 「また2009年の夏は湿気が多かったので繰越在庫も不足しており、このため乾草の値段は20%から40%値上がりするに至りました」。

 「乾草と藁が供給不足となり、今後数ヵ月間より高価になる可能性があるため、私たちは、盗まれる危険性を避けて安全に保管する方法について考えるよう助言しています」。

 プライス氏は、いずれも競走馬調教地域として名高いバークシャーとノースヨークシャーの地域において乾草と藁が盗まれたとの報告があったと述べた。

 同氏は次のように付け足した。「現在のところ報告は比較的小さい規模ですが、これは今まで目にしたことのない犯罪であり、供給が乏しくなればエスカレートするでしょう」。

 プライス氏は、NFU相互保険会社としてはこれまで安全対策の予防が欠けていたことに気付き、顧客に行動を起こすことを助言していますと語った。

 同氏は次のように続けた。「乾草と藁が保管されている建物の周りの地域を守ることが優先事項です。乾草はその燃えやすい性質のために閉鎖された馬房に保管するのが難しい作物ですが、私たちは人々に、侵入者センサー、CCTV(閉回路テレビ)カメラおよび保安灯を設置するなどして、周辺地域を保護できる最善の技術を駆使するよう助言を行っています」。

 「開放された牧草地の馬房や沿道の馬房に堆積してある乾草と藁は、特に被害を受けやすいです。ウォーリックシャーのある乾草生産者は、小さい圧縮乾草の窃盗が頻発していることから、すでに乾草を沿道の保管施設から農場に移動させました」。

 「また乾草と藁は収穫後、できるだけ早く牧草地から移動させなければなりません」。

 プライス氏はさらに、ひょっこりと訪ねてきて所有地を見て回る人々に注意するよう警告している。

 同氏は次のように付言した。「彼らに注意して車のナンバーを控えてください。そして不審な点を感じたら警察に知らせてください」。

By Howard Wright

[Racing Post 2010年8月26日「Trainers and studs warned about hay thefts」]


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