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海外競馬ニュース
2010年09月30日  - No.39 - 3

トート社のCEO、開催日数削減についてBHAを批判(イギリス)[その他]


 トート社(Tote)のCEOであるトレヴァー・ボーモント(Trevor Beaumont)氏は8月18日、劇的な賦課金収入の減少を受けて2011年の開催日数を削減するBHA(英国競馬統轄機構)の計画を批判した。

 2010年の賦課金収入が2009年よりもさらに減少するだろうと予測されたことを受けて、2011年の開催日数は最多で150日削減される可能性がある。これは前年比10%減に相当する。

 2009-10年の賦課金収入見込みは7,650万ポンド(約107億1,000万円)であり、大口馬券購入者からの売上げが貢献した2007-08年度に比べて21%減少していた2008-09年度からさらに17%減少している。

 このことは、たった2年間で賦課金収入が3分の1以上減少したことに相当し、BHAは開催日数の削減を提案することによりそれに対応したが、ボーモント氏はこれが誤った方針であると確信している。

 ボーモント氏は8月18日に、ヨーク競馬場からのチャンネル4の放送において、「賦課金収入が減少しているときに商品を減らすことは理解できない態度です。この2つは同じように扱うべきではありません」と語った。

 同氏はまた、とりわけこの減少を念頭において賦課金収入がどのように費やされているかに疑問を投げかけ、特に懸念されている問題として競馬の公正確保のために費やされている金額を強調した。

 「資金調達に困難を極めていることは理解していますが、2,500万ポンド(約35億円)が公正確保に拠出されていることに疑問を呈したいと思います。私は公正確保における削減がどのようになされたか正確に把握しているとは言いませんが、我々は正しい部門に相応の金額が拠出されているかについてしっかり見ているでしょうか?」。

 「ベッティングショップや競馬場での馬券売上げの伸び悩みは大きな問題ですが、一方で競馬場の観点から言えば、彼らはテレビ放映権からも収入を得ているのでこの2つを合わせて競馬への影響を見つけ出すことが重要です」。

 当初BHAは自身が持っている250日あまりの開催をすべて廃止する計画であると考えられていた。その計画ではケンプトン競馬場のような全天候型の競馬場の日程が最も割を食うであろうと思われていた。

 現在では、いくつかの開催は賞金額が大幅に削られるものの開催自体は維持されたと見られている。しかし来年の競馬スケジュールがはっきりしないため、BHAは7月に予定していた2011年開催日程の発表を2ヵ月先延ばしにすることを余儀なくされている。

 ボーモント氏は、「開催日数が80日あるいは150日削減されるかどうかは誰も知りえません。時間が経てば分かるでしょう。しかし、賦課金が減少しているときに商品を減らすことが理に適ったこととは思えません」と付言した。

 なお、BHAは約150日分の開催日程を保留した上で、競馬場およびホースメングループが同意して提案を行った場合にのみ再検討することを決めている。またBHAによれば、2011年開催日程は9月下旬までに発表される予定である。

By Rob Smith
(1ポンド=約140円)

(関連記事)海外競馬情報2010年No.16「賦課金収入減少を受けて競馬開催日数も削減(イギリス)」

[Racing Post 2010年8月19日「Tote chief criticises BHA for decision to cut fixture list」]


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