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海外競馬ニュース
2010年09月09日  - No.36 - 1

賭事客団体、カリフォルニア州の控除率引上げと闘う(アメリカ)[開催・運営]


 全国的な賭事客団体である北米ホースプレイヤーズ協会(Horseplayers Association of North America: HANA)は、現在競馬関係者とカリフォルニア州議会下院議長により議論されているカリフォルニア州のレースを対象にしたエキゾチック馬券の控除率の2〜3%の引上げを阻止することを望んでいる。

 HANAは、7月28日にジョン・A・ペレーズ(John A. Perez ロサンゼルス選出―民主党)下院議長が、審議中の競馬法案の文言を改正する形で提示した控除率引上げに抗議するために地元選出議員と早急に接触するようメンバーたちに促した。

 4ページにわたる提案によれば、この控除率引き上げは、馬券売上げ減少を受けて州全体で削減されているサラブレッド競馬の賞金を増加させることになるだろう。控除率は、馬単(exacta)あるいは2重勝(double)のような2頭を選ぶエキゾチック馬券において2%引き上げられ、3連単(trifecta)、4連単(superfecta)、6重勝(pick6)などの3頭以上を選ぶエキゾチック馬券においては3%引き上げられる。この結果、州内からであろうが州外からであろうが、カリフォルニア州の競走を対象としたエキゾチック馬券の購入者は全員影響を受ける。

 現在のカリフォルニア州の控除率は、州や郡のフェア開催を除いてすべてのエキゾチック馬券について20.68%であり(フェア開催は22.02%)、控除率の引上げは馬券的中者への払戻しが少なくなることを意味する。

 現在の単勝と複勝の控除率は15.43%であり、フェア開催においては同種の馬券の控除率は16.77%である。これらの控除率は今回の計画には影響されない。

 HANAのジェフ・プラット(Jeff Platt)理事長は7月29日、控除率引上げについて「全く残念です」と述べた。同理事長は、控除率の引上げは人々に賭事を行う意欲を損なわせ、馬券売上げを減少させると考えており、その例として今年2%の控除率引上げが承認されたあとでロスアラミトス競馬場の馬券売上げが大幅に減少したことを挙げた。

 プラット理事長は、「これは取るべき措置ではないと思います。控除率は上げるべきではなく、下げるべきです」と語った。

 一見したところ今回の控除率引上げの話し合いは、馬主、競馬場、下院議長の間で進められている一方で、キース・ブラックプール(Keith Brackpool)会長率いる立法委員会を有するカリフォルニア州競馬委員会(California Horse Racing Board: CHRB)では公式には何も話し合われていない。

 最近カリフォルニア・サラブレッド馬主会(Thoroughbred Owners of California)の会長に選出されたアーノルド・ゼッチャー(Arnold Zetcher)氏は、「このことについて話し合うのは少しばかり時期尚早でしょう」と述べた。

 ゼッチャー氏は、「法案はまだ形成段階です。然るべき時期が来たら、私はそのことについて喜んで話す所存です」と述べた。

 しかし、措置は早急に取られる必要がある。州議会は8月末に休会となるので、この控除率引上げが目標期日の12月24日までに成し遂げられる可能性を持つためには、休会までに現在の法案あるいは他の競馬法案に控除率引上げが加えられなければならない。2011年に向けて“州外賭事制度”を踏まえて控除率を取り決めるために必要な準備期間を得るため、12月24日には控除率引上げの準備がすべて整っていることを要すると法案は述べている。

 競馬関連の課題に関してペレーズ議長の補佐を務めるジョージ・ワイリー(George Wiley)氏は、当初の法案はイベント推進費として年間200万ドル(約2億円)以上を供給することで、ブリーダーズカップ社(Breeders’ Cup Ltd.)にブリーダーズカップを永続的にカリフォルニア州で開催することを納得させる意図があったと述べた。そしてカリフォルニア州での開催は、経済にとっても競馬にとっても素晴らしいこととなるだろうと語った。

 ワイリー氏は、「州議会議長は、カリフォルニアの競馬産業が衰退化して州経済へ影響することに懸念を持ち続けています。また、州の競馬産業存続に欠かせない賞金を増やすためには、他州とうまく競合できる形で控除率を調整することが良いかどうかに関してCHRBや州内競馬産業の中で話し合われていることも認識しています」と語った。

 同氏は、「私たちの産業は、他州のように競馬の賞金額を他のゲーミングで補うという選択肢がないので、控除率の調整を含めてすべての選択肢を競馬産業の中で考慮しなければなりません。カリフォルニア州政府は、州内の競馬産業が州に支払う免許料をほとんど廃止してしまったので、控除率の利用は競馬産業を救うために残されたほんの数少ない手段の1つです」と付言した。

By Jack Shinar
(1ドル=約100円)

[bloodhorse.com 2010年7月29日「Horseplayer Group Battles Calif. Takeout Hike」]


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