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海外競馬ニュース
2010年08月05日  - No.31 - 1

ニューヨーク州、“同厩馬別枠” 賭事ルールを追加(アメリカ)[開催・運営]


 ニューヨーク州の競馬管理者は6月25日、同州がサラトガ開催の前に同厩馬別枠賭事ルール(uncoupled wagering rule)を適用する予定であり、これが同競馬場の馬券売上げを増加させるだろうと述べた。

 ニューヨーク州競馬賭事委員会(New York State Racing and Wagering Board)のジョン・サビーニ(John Sabini)会長は、「私たちは新ルールがより多くの賭事提供の機会をもたらし、馬券売上げを増加させることを望んでいます。また私たちに関するかぎり、公正確保を犠牲にすることはないでしょう」と語った。

 規制委員会は6月中旬、数年来NYRA(ニューヨーク競馬協会)が制定を模索していた同厩馬別枠ルールを可決した。ニューヨーク州は現在、あるレースに1人の調教師が2頭の管理馬を出走させたとき、これらの馬は馬券上同枠でなければならないとしている。NYRAがサラトガ開催の7月23日の開幕時から適用しようとしている新ルールでは、馬券において同厩馬の枠を別にすることを可能にする。

 サビーニ会長は、「ニューヨーク州のような競馬管轄区の調教師が共謀するようなことはないでしょう。実際にレースにおいて結託した記録はまったく見当たりません。NYRAの競馬の質は、関係者がその公正性を守り続けるであろうと信ずるに足るものであり、裁決委員が常にその信用を維持するために仕事をしているのは明らかです」と語った。

 ルール変更による馬券売上げの増加予測は、100万ドル(約1億円)からNYRAが見積もる700万ドル(約7億円)に及ぶ。

 サビーニ会長は、「最終的な目的は、厳しい経済環境においてより多くの賭事利益を得ることです。賭事客もNYRAも新ルールを好んでいますので、私たちはこの制定が関係者全員にとって良いものであると考えています」と語った。

 また、他の競馬産業の案件に関しては、ニューヨーク州議会の上院は6月25日、競馬施行規程を州間でより良く連係させるために州間協定への参加を認める法案を可決した。

 法案を支持する上院の覚書では、「州間協定なしでは、メンバー州は別々に施行規程と競馬番組を採択してしまうだろうが、複数の州で活動する関係者には同一のものが必要である。馬券売上げが損なわれる恐れがあるので、1つの州がいつも単独で行動を起こせるとは限りません」と記している。

 上院の覚書は次のように続いている。「州間協定は、各州が一緒に取り組むための仕組みを提供する。また、メンバー州が同じ競馬番組および施行規程を作り、協力して活動できるようにする。協定に参加することにより、ニューヨーク州は競馬の仕組みを簡素化し、公正性を強化することで競馬を促進することができ、それによってより多くの競走馬、ファン、根っからの賭事客を惹きつけることができるだろう」。

 しかし、この法案は州議会の下院において行き詰まっており、一方2010年の法案制定議会は来週で閉会する予定となっている。

 州の赤字を埋め合わせるための新しい収入を切望している立法府は、競馬場内のカジノに関する現行ルールを緩和する計画を検討している。それはカジノ施設の営業時間の延長を可能にすることと、ビデオゲームの提供を承認することである。

By Tom Precious
(1ドル=約100円)

[bloodhorse.com 2010年6月25日「New York to Add 'Uncoupled' Wagering Rule」]


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