ニューマーケットの開発計画が却下される(イギリス)[その他]
ニューマーケットの競馬共同体は、白熱した議論を呼んだダービー卿(Lord Derby)のハッチフィールド牧場(Hatchfield Farm)開発計画が、6月2日の夕方にフォレストヒース市議会(Forest Heath District Council)において却下されたことを受けて祝杯をあげた。
12人の市会議員は、ハッチフィールド牧場の敷地に最大で1,200棟の新築住宅、ホテル、店舗およびレストランを建設する予定だった計画の却下に満場一致で賛成した。
ニューマーケットで調教および生産を行う競馬共同体の反対者たちは、この開発計画とニューマーケットの社会基盤にかけられる圧力が、競馬産業の将来を脅かすおそれがあると懸念していた。
会合はミルデンホールにある市議会の事務所において開催され、ニューマーケット歴史的建造物保護活動団体(Save Historic Newmarket Action Group)の著名なメンバーや彼らの支持者であるジョン・ゴスデン(John Gosden)調教師とその妻のレイチェル・フッド(Rachel Hood)氏、ルカ&サラ・クマーニ(Luca and Sara Cumani)夫妻、マイケル・スタウト(Sir Michael Stoute)調教師、ジョン・マクリリック(John McCririck)氏およびダービー卿自身が出席した。
この地域で新たに選出された下院議員のマシュー・ハンコック(Matthew Hancock)氏は、「この決定は、地方自治体と新政府がニューマーケットの人々のために一丸となって取組んだことの現われです」と語った。
同議員は次のように続けた。「ハッチフィールド牧場の不適切な開発は、(トニー・ブレア首相の首相代理および副党首を務めた)ジョン・プレスコット(John Prescott)氏の地域空間開発戦略(Regional Spatial Strategy)の一環としてニューマーケットに強要されました」。
「新政府の迅速な対応のおかげで、市議会は自ら決定を行う自由を与えられ、そしてはっきりと意志を示しました」。
「もちろんサフォーク州はより手ごろな住宅を必要としていますが、大規模な未開発地域の開発をごり押しすることは、ふさわしい方法ではありません。私たちは今やニューマーケットの将来のために、この街特有の魅力を理解し支持する持続可能な構想を必要としています」。
ダービー卿はこの決定を上訴するつもりであることを明らかにし、競馬施設を改善するための自身の計画が台無しになってしまうと述べた。
ダービー卿は、「計画を却下する決定には当然がっかりしています」と語り、次のように付言した。
「私はこの決定をじっくり検討しますが、残念なことに上訴する以外に選択肢は見当たりません。この決定は、ジョッキークラブがつい先週に表明した要請内容の実現を妨げることにもなるので、特にがっかりしています。」
「私は本日、新たな馬用の交差路のほか、ジョッキークラブが強く望んでいた既存の競馬施設の性能改善など要請リストにあった多くの項目に対して、誇りを持って必要な資金を全額提供するだろうと申し上げました」。
By Tony Elves
(関連記事)海外競馬ニュース2010年No.2「ニューマーケットの開発反対グループ、計画の公開審査を歓迎 (イギリス)」、
2010年No.18「ニューマーケット開発計画の決定、6月まで延期(イギリス)」
[Racing Post 2010年6月2日「Lord Derby's Hatchfield Farm plans rejected」]