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海外競馬ニュース
2010年04月28日  - No.17 - 3

ジョンストン調教師、ロシア馬を手探り状態で調教(イギリス)[その他]


 3月24日の19時50分発走のディジベットチャレンジSに、2頭のロシア優勝馬ヴェリキーゼヴス(Velikiy Zevs)とヘメラ(Hemera)が出走するとき、ケンプトン競馬場において英国競馬の国際性に新たな特徴が加わるだろう。

 ロシアから英国に輸入された初めての平地競走馬と考えられているこの2頭は、マーク・ジョンストン(Mark Johnston)調教師に管理されて英国デビューを果たそうとしている。同調教師も他の人々と同様に、この2頭がどのようなパフォーマンスをするかについてよくわからない状態にある。

 2頭はミハイル・ヤナコフ(Mikhail Yanakov)氏により所有されている。同氏はロシアと米国に住居を持ち、オリンピアスター社(Olympia Star Inc.)の名の下で馬を出走させており、所有馬のなかで最も優秀なのは、4月のサンタアニタダービー(G1)に出走することが見込まれているスキップショット(Skipshot)である[訳注:スキップショットは同競走で5着となった]。

 ヴェリキーゼヴスは特に関心を引いている。同馬は、ジョンストン調教師が管理して2004年デューハーストS(G1)を制し、その後ゴドルフィン社に移りフランス2000ギニー(G1)、フランスダービー(G1)、セントジェイムズパレスS(G1)を優勝したシャマーダル(Shamardal)の全弟(訳注:父Giant’s Causeway 母Helsinki)である。

 へメラはマリアズモン(Maria’s Mon)の牝馬であり、勝つというふれこみで英国に上陸したが、2頭ともその戦績の詳細はよく分からない。

 ロシア調教馬が英国で競走した最近の例は、ニコラウスシルヴァー(Nicolaus Silver)が制した1961年グランドナショナルに出走したものの完走できなかった、障害馬のグリフェル(Grifel)とレルジェフ(Reljef)であると考えられている。

 ジョンストン調教師は次のように語った。「2頭はいずれもロシア馬であり、私は彼らをディジベットチャレンジSに出走させることを強制されたようなものです。というのは、彼らはハンデキャップレーティングを得られないからです」。

 「彼らはロシアで勝っています。彼らをどのレースに出走させるかが問題でしたが、結局同じレースで走らせることにしました」。

 「ヴェリキーゼヴスはロシアで2戦2勝しただけなので、ハンデキャップレーティングを得る資格がありません」。

 「ヘメラは、ロシアの人々が一定の書式とレーティングの入手を支援してしてくれれば、適切なレーティングを得ることができるでしょうが、私たちはそれを入手できていません。従って問題は彼らを実際のレベルとは異なる競走に出走させなければならないことです」。

 「ヤナコフ氏は多くの馬を所有していますが、その大半はこの2頭を購買した米国を拠点としています」。

 「この2頭がロシアでどのようなレースを勝ったのか知りませんが、ヴェリキーゼヴスがシャマーダルの弟なので、ヤナコフ氏は私を調教師に選んだのでしょう」。

 [訳注:ディジベットチャレンジSの結果:ヴェリキーゼヴス5着、ハメラ7着]

By Graham Green

[Racing Post 2010年3月24日「Johnston in dark over Russian invaders」]


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