チェルトナムゴールドカップの効果的なマスコミ報道(イギリス)[その他]
競馬変革プロジェクト(Racing For Change: RFC)によれば、コートスター(Kauto Star)とデンマン(Denman)がチェルトナムゴールドカップに優勝できなかったことで、競馬は新聞の第一面を飾り損ねたが、この2頭の直接対決のPR効果は数百万ポンドの価値があった。
RFCの理事であるニック・アッテンボロー(Nick Attenborough)氏は、“決着(The Decider)”をつけるべく直接対決した人気馬2頭がいずれもインペリアルコマンダー(Imperial Commander)に打ち負かされた事実は、競馬のマジックの一部であったが、競馬への注目度を高める販売促進努力からは多くのプラス要素がもたらされたと語った。
同氏は次のように語った。「私たちはとりわけ、国営テレビのニュースに支持されたことに満足しています。ゴールドカップはBBCとITVの朝のニュースでそれぞれ3回ずつ取り上げられました」。
「コートスターとデンマンの直接対決およびインペリアルコマンダーが2頭を打ち負かしたことについて、BBCとITVはいずれも午後6時および午後10時のニュースで取り上げました。またこの話題は、チャンネル4の午後7時のニュース、チャンネル5の報道番組、スカイ(Sky)やBBCのワールドニュースでも取り上げられました。これらの番組は、数百万もの視聴者に競馬を伝えるという重大な役割を果たしました。またゴールドカップは、ザ・サン紙(The Sun)、インディペンデント紙(Independent)、ファイナンシャルタイムズ紙(Financial Times)において第一面を飾りました」。
「コートスターかデンマンが優勝していたら、もっと多くの新聞の第一面を飾っていただろうと思います。ゴールドカップは続報記事でもっと多く報道されたでしょうが、私たちはそのことを気にしすぎるべきではないと思います。私たちが壮大な競馬物語を作り上げようとしても、それは起きません。それが競馬というものです。競馬のマジックは最終的に、誰も何が起こるかわからないということです」。
「分かっているだけで、コートスター、デンマンおよびチェルトナム競馬場への注目度を高めた記事の長さとテレビの放映時間を足せば、数百万ポンドと見積もることができます」。
アッテンボロー氏は、レーシングポスト紙と全国紙の競馬面は“素晴らしい仕事”をしたと述べた。一方でチャンネル4、チェルトナム競馬場、トートスポート(Totesport)およびレーシングUK(Racing UK)の協力体制も、普段競馬を扱わないメディアがポール・ニコルス(Paul Nicholls)調教師、ルビー・ウォルシュ(Ruby Walsh)騎手、トニー・マッコイ(Tony McCoy)騎手の特集を組むのに一役買ったと語った。
「私たちは会合を持ち、全く新しい形でメディアへの売り込み手順を検討し、そして私たちの間で誰が何を担当するかについて同意しました。これは競馬資源の莫大で有効な活用です。これらは、ニコルス調教師、ウォルシュ騎手、マッコイ騎手および両馬のオーナーなしでは成し遂げられなかったでしょう」。
発表されたときに全国的な注目を浴びた10進法オッズ試行の日程はまだ発表されていない。RFCの提案で次に予定されているのは、4月末から始まる英国の競馬場への入場料無料週間である。
アッテンボロー氏は、「グランドナショナルは大いに弾みをつけるもう1つのチャンスであり、私たちは平地競走がもう一度特筆される話題に上るよう努めるために、全員が一丸となって取り組むことを本当に必要としています」と付言した。
By Jon Lees
[Racing Post 2010年3月25日「Media coverage of Gold Cup was ‘worth millions’」]