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海外競馬ニュース
2009年03月05日  - No.9 - 1

ベッティング・エクスチェンジは インターネット賭博禁止法に触れるか (アメリカ)[開催・運営]


 米国でベッティング・エクスチェンジ賭事事業を行う場合、法的な制約を受けることは間違いない。しかし、どのような制約を受けるかは定かでない

 米国において、競馬を対象としたインターネット賭事は、2006年違法インターネット賭博禁止法(Unlawful Internet Gambling Enforcement Act)による禁止対象から除外されている数少ない賭事活動の1つである。それにベッティング・エクスチェンジが含まれるかどうかは明らかではない。また、この禁止法は政府の見直しを受けるかもしれない。

 ベットフェア社(Betfair)の業務部門担当の常務取締役であるマーク・デービス(Mark Davies)氏は、米国においてベッティング・エクスチェンジはすでに合法である可能性があると確信している。

 デービス氏は、「新たな規制の要否が問題になると世間一般には考えられていますが、そのような問題はなく、新たに法律を制定する必要はないでしょう」と述べた。

 パリミューチュエル賭事の定義もまた、州レベルでの問題となるだろう。

 カリフォルニア・サラブレッド馬主会(Thoroughbred Owners of California)のドゥルー・コウトー(Drew Couto)会長は、「いくつかの法令の改正が必要と思われます。個人的見解ですがカリフォルニアの州法ではベッティング・エクスチェンジは合法だと思います。なぜなら、ベッティング・エクスチェンジも賭事客の間で賭事が行われるので、パリミューチュエルと見なされ、賭金から一定の控除があり、控除された残りの賭金は賭事客に払い戻されるからです」と語った。

 結局のところ恐らく、賭事客同士で賭事を行い第三者(ベッティング・エクスチェンジ運営者)が手数料を取るのがパリミューチュエルであるかどうかを判定することとなろう。ベッティング・エクスチェンジは財政難に陥っている州には魅力ある新たな収入源と映るので、現在の経済危機は有利に働くかもしれない。

 裁判も起こりうる。西オーストラリア州はベッティング・エクスチェンジを規制していたが、2008年に、裁判所は規制はベットフェア社に対して不公正な商業規制であると判定した。

 

ベットフェア社 年表
2000年6月: スポーティング・エクスチェンジ社(Sporting Exchange Ltd)がベットフェア社を設立。
2001年6月: ベットフェア社、レーシングポスト紙のウェブサイトにおいて最初のベッティング・エクスチェンジ提供会社と定められる。
2003年6月: ベットフェア社、公正確保を目指した英国のジョッキークラブとの覚書に署名する。
2004年12月: 英国産業連盟の発展ビジネス賞(Confederation of British Industry’s Growing Business Awards)で年度代表企業に選ばれる。
2005年2月: ベットフェア社、公正確保を目指したサラブレッド競馬保安協会(Thoroughbred Racing Protective Bureau)との覚書に署名する。
2006年1月: ベットフェア社、タスマニア州ゲーミング委員会によりオーストラリアでの賭事運営免許を交付される。
2006年8月: ベットフェア社、ホースレーシング・アイルランドにアイルランド競馬から得た収益の10%を支払うことに同意する。
2008年11月: スポンサー取引においてメルボルンのサンダウン競馬場は3年後にベットフェアパーク競馬場と改名する。
2009年1月: ベットフェア社、TVG社を5000万ドル(約50億円)で買収。

By Frank Angst

[Thoroughbred Times 2009年2月7日「Exchanges would face muddled Internet wagering laws」]


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