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海外競馬ニュース
2009年11月26日  - No.47 - 1

カリフォルニア州法、控除率引き上げを 容認(アメリカ)[開催・運営]


 州議会の記録によれば、アーノルド・シュワルツェネッガー(Arnold Schwarzenegger)カリフォルニア州知事は10月23日、州内競馬場がどの馬券に対しても最高25%までの控除率引き上げの承認を求めることができる法案に署名した。

 州職員によれば、法案はカリフォルニア州で控除率を設定するプロセスを透明化し、競馬場に現行の控除率を大幅に引き上げる機会を与え、控除率の配分を見 直すための申立て権限を競馬産業に認めることになる。この法律の下では、控除率あるいは控除金の分配方法に関するいかなる変更も、競馬場、州のホースマン およびカリフォルニア州競馬委員会(California Horse Racing Board: CHRB)に承認されなければならない。

 ハリウッドパーク競馬場のジャック・リーボー(Jack Liebau)場長は10月26日午前、CHRBのメンバーの中に控除率引き上げに対する競馬ファンの抵抗があることも引き合いに出し、同競馬場としては 控除率の引き上げを求める意向はないと述べた。法律が成立するのに先立ち制定されたルールでは、州内の主要サラブレッド競馬場はすべての単勝馬券 (win)、2着払複勝馬券(place)、3着払複勝馬券(show)の15.43%、その他すべての馬券に関しては20.68%の控除率で賭事を提供 しており、これらは米国内において低い控除率に入る。

 リーボー場長は、「この法案の目的は、競馬産業にいっそうの柔軟性を与えることなのです。ハリウッドパーク競馬場あるいはその他の競馬場が一方的に控除 率を引き上げることはできません。たとえ一方的に行動を起こすことができたとしても、私たちはこのような厳しい経済状況の中でそのようなことをすることは ないでしょう」と語った。

 また、「新たなルールの下で、各競馬場は控除金を黒字の共同販売基金のようなプログラムから、現在赤字の外厩運営費や輸送費のための拠出金のようなプログラムにまで、再分配することを模索することになるでしょう」と同場長は語った。

 カリフォルニア州の競馬場は、競走に十分な出走頭数を確保すること、1年間の競走日数を維持すること、および売上げと入場者数の連続的な減少を食い止め ることに苦戦している。さらに、カリフォルニア北部のベイメドウズ競馬場が閉鎖されたほか、サンタアニタ競馬場とゴールデンゲートフィールズ競馬場の所有 者であるマグナエンターテイメント社(Magna Entertainment Corp.: MEC)は3月に民事再生手続をした後、これらの競馬場の売却を試みている。そしてカリフォルニア南部のハリウッドパーク競馬場の所有者は同競馬場を解体 し、数年のうちにその土地を再開発する予定であると述べている。

 9月に3週間の競馬開催を行ったフェアプレックスパーク競馬場のスポークスマンであるシャロン・オートリー(Sharon Autry)氏は、同競馬場はこの法案を支持していると語ったものの、同競馬場が控除率を引き上げるかどうかはコメントできないと述べた。

 MECとカリフォルニア州競馬公正統轄機構(California Authority of Racing Fairs)の職員たちは10月26日、コメントを求められたが応じなかった。さらに、同州の2大ホースメン・グループであるカリフォルニア州サラブレッ ド馬主会(Thoroughbred Owners of California)とカリフォルニア州サラブレッド調教師会(California Thoroughbred Trainers)の代表者たちも同日、電話での質問に即座には応えなかった。

 賭事客は通常、的中者に分配される金額が減少するので、いかなる控除率引き上げに対しても反対する。競馬を研究している経済学者たちもまた、控除率引き 上げは賭事プールの金額を減少させ、宝くじやスロットマシンのような控除率の低い他の賭事と比較するとその費用対効果が更に低下するので、最終的に賭事市 場における競馬のシェアに損害を与えると警告している。

By Matt Hegarty

[Daily Racing Form 2009年10月28日「Calif. Law allows takeout changes」]


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